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甲状腺機能異常がある場合の医療脱毛(レーザー脱毛・ニードル脱毛)の安全性と注意点について

2025.03.22

カテゴリ… 脱毛コラム論文情報院内ブログ

甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症・橋本病・バセドウ病)を抱える方の中には、「医療脱毛(レーザー脱毛・ニードル脱毛)は安全なのか」「ホルモンや病状に影響はないのか」と疑問を持たれる方も多いでしょう。本記事では、査読付き論文や臨床研究、専門家の見解をもとに、甲状腺機能異常を有する方における医療脱毛の安全性・病状悪化のリスク・ホルモンバランスや皮膚への影響などを分かりやすく解説します。

1. 甲状腺機能異常と医療脱毛の安全性

「病状悪化のリスクはある?」

結論から言うと、甲状腺機能低下症や亢進症があるからといって、医療脱毛が直接的に病状を悪化させるというエビデンスは現時点でほとんど報告されていません

2022年の総説でも、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病やバセドウ病)を持つ患者に対してレーザー治療やIPL(光治療)を行っても、自己免疫機能が亢進するという報告は見当たらないと結論づけています。

「照射したレーザーが甲状腺に届いてしまわない?」

レーザー脱毛は、皮膚表面から数ミリ~数ミリ程度の深さで毛根や毛包に吸収され、甲状腺までレーザーが届くことはありません。たとえ首元の照射でも、レーザーやIPLは甲状腺組織まで深く浸透しないため、甲状腺機能に影響を与える可能性は低いと考えられています。


2. レーザー脱毛が甲状腺ホルモンへ及ぼす影響

「甲状腺ホルモン(T3やT4)、TSHは変化しないのか?」

ある横断的臨床研究(2021年)では、アレキサンドライトレーザー(755nm)やダイオードレーザー(800nm)を用いて顔の脱毛を行った女性280名について、レーザー施術前後の甲状腺ホルモン(T3、T4、TSH)の変動を調べた結果、統計学的に有意な変化は確認されなかったと報告されています。これにより、「医療脱毛による甲状腺ホルモンの上昇や低下は認められない」という見解が支持されました。

「自己免疫疾患への影響」

自己免疫性甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病)では、体内の免疫系が甲状腺組織に反応して炎症を引き起こします。しかし、レーザー脱毛で使われる波長やエネルギー量が、この免疫反応を悪化させるというデータは見つかっていません。むしろ、低出力レーザーのように、異なる目的で甲状腺付近に照射する研究では甲状腺炎が改善したケースさえ報告されており、正しく使用すれば有害どころか肯定的な面がある可能性も示唆されています。


3. 橋本病・バセドウ病など自己免疫性甲状腺疾患への影響

「自己免疫疾患を抱えていても施術できる?」

先述のレビュー論文では、自己免疫性甲状腺疾患の患者がレーザーやIPLなどの光治療を受けても、病状が急激に悪化した事例は報告されていないとまとめられています。患者が安定期もしくは適切に治療を受けている場合、医療脱毛は基本的に安全と考えられます。

では、注意点はあるのでしょうか?

  • コントロール不良の状態では施術を避ける
    未治療や甲状腺機能が激しく乱れている状態は、何らかの手技を行う際にリスクが上がるため、まずは甲状腺ホルモン値を安定させるのが先決です。これは医療脱毛が直接影響を与えるかどうかは現時点では不明ではありますが、一般的に考えてまずは優先的に甲状腺機能を安定させることが大切ではないかと考えられます。
  • 医師と連携する
    自己免疫疾患を含めた甲状腺疾患を持つ場合は、内分泌科などの主治医に相談のうえで施術を行うのが好ましいとされています。ですので、先述の通り原則問題はないものの主治医には伝えたほうがベターであると考えています。

4. 毛髪サイクルとホルモン異常:脱毛効果への影響

「甲状腺機能低下症の場合」

甲状腺ホルモンには、毛周期を維持する働き(発毛・育毛の促進)があります。甲状腺機能が低下すると、髪や体毛が細くなったり抜けやすくなったりするほか、毛の成長が遅れたりすることもあります。

  • 施術効果への影響: 髪や毛が過度に細い・休止期に偏っていると、レーザーが十分に反応しづらい場合があります。未治療のままでは効果にばらつきが出やすいため、レボチロキシンなどで甲状腺ホルモンを補充して、ホルモン値を正しく保ってから施術を受けると効果が安定すると報告されています。

「甲状腺機能亢進症の場合」

一方、バセドウ病などでは体毛が細くなりつつも、体毛によっては成長が早いケースがあります。もちろん成長が早いことで脱毛にとっては必ずしもマイナスではない場合もありますが、適切な抗甲状腺薬の服用で機能亢進をコントロールすることが大切です。


5. 病状コントロールの重要性:未治療・不安定な場合のリスク

「施術前の確認事項」

多くの医療脱毛クリニックでは、問診票に既往歴の有無を記載する欄があります。あらかじめ主治医から甲状腺の状態が安定しているという確認を得ておくと施術がスムーズです。甲状腺ホルモン値が不安定なときに施術を行うと、体調を崩して施術後の経過観察が難しくなるといったリスクが生じます。

未治療やコントロール不良だと医療脱毛そのものの安全性に問題は少ないものの、体調面で不利になりやすいです。


6. 皮膚への影響:副作用や合併症の可能性

「主な副作用:赤み・色素沈着など」

  • レーザー脱毛: 施術直後の赤み(紅斑)や毛包周囲の軽い腫れ(浮腫)は一般的な反応です。数時間~数日で落ち着きます。
  • 色素沈着・色素脱失: 皮膚が乾燥しやすい甲状腺機能低下症の方や、メラニン量の多い肌質の場合は、照射の強さによって色素沈着リスクがやや高まるケースがあります。ただし、これは甲状腺疾患特有の問題ではなく、一般的な肌タイプの問題として把握されており、適切な設定で施術すれば過度に心配する必要はありません。
  • 火傷や瘢痕形成: 過剰出力の照射や誤った施術手技が原因となり得ますが、甲状腺機能異常だからといってリスクが跳ね上がるというデータはありません。

「甲状腺疾患特有の皮膚症状はある?」

  • 甲状腺機能低下症では皮膚が乾燥してバリア機能が落ち、若干刺激に敏感になることがあります。事前に保湿をしっかり行い、照射後のアフターケア(冷却・保湿)を行うとトラブルを防ぎやすいです。
  • バセドウ病などでは発汗が増えることがあるため、施術直後の赤みやヒリつきが気になる方は、施術後しばらくは汗や紫外線を避けるなどのケアが推奨されます。

7. ニードル脱毛(電気脱毛)の安全性と注意点

「ニードル脱毛とは?」

ニードル脱毛(電気針脱毛、絶縁針脱毛)は、毛根に細い針を挿入し、電気的エネルギーで毛母細胞を破壊する方法です。レーザーのような光線は使わず、局所的に電気を通すだけなので、ホルモンや免疫系へ影響を与える可能性はほぼありません

「甲状腺患者は注意が必要?」

甲状腺疾患特有の禁忌や副作用リスクは報告されていません。ただし、

  • 重度の甲状腺機能異常を放置している場合は、施術部位の治癒が遅れたり、皮膚のコンディションが悪化している可能性があります。
  • 局所の炎症リスクを最小限にするため、医師の許可を得て施術開始するのが望ましいでしょう。
  • 施術後の赤みやかさぶた、色素変化などは一般的なニードル脱毛の副作用として報告されていますが、甲状腺疾患だからといって頻度が高くなるとはされていません。

8. 施術時のポイント:医療従事者との連携・アフターケア

  1. 内分泌科医や主治医への相談
    • 甲状腺ホルモンが安定しているかどうかを確認
    • 必要に応じて「施術可能」の確認を得る
  2. 事前カウンセリングで疾患を申告
    • 甲状腺疾患の有無は必ず申告し、ホルモン数値や症状について説明する
    • 未治療・コントロール不良の場合は施術を延期するか、症状が安定してから行う
  3. 適切なレーザー設定・針の強度
    • 肌状態(乾燥度合い)や毛質を考慮し、低めの出力から照射を行うことが望ましい
    • 病変部位(手術痕や腫大した甲状腺付近など)は医師の助言を得て回避する場合もある
  4. アフターケアを徹底
    • 保湿や紫外線対策を行い、皮膚へのダメージを最小限に
    • 施術後の痛みや赤みが強い場合は早めにクリニックへ相談

9. まとめ

  • 甲状腺疾患があるからといって、医療脱毛(レーザー脱毛・ニードル脱毛)が直接的に病状を悪化させるリスクは低いとされています。
  • ホルモン値や毛周期への大きな影響も認められていないため、適切にコントロールされた甲状腺機能を保っていれば、他の患者とほぼ同様の効果が得られます。
  • 未治療・不安定な甲状腺機能異常の場合は、施術効果にムラが出たり、皮膚のトラブルが起きやすくなったりする可能性があるため、必ず内分泌科や主治医と連携しながら進めましょう。
  • 皮膚症状(乾燥や浮腫)が強いときは、一時的に施術を中断または延期して、しっかりケアしたうえで再開するのが望ましいです。
  • レーザー脱毛・ニードル脱毛ともに、正しい手技と設定を行えば、甲状腺疾患患者特有の重大な合併症は報告されていません。ただし、首元の施術では医師や施術者の判断で照射部位を限定する場合があります。

甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症・亢進症・橋本病・バセドウ病など)をお持ちでも、適切に治療・コントロールされている方なら医療脱毛を受けられます。 病状が安定していない場合は、施術の効果が不安定になったり、肌トラブルのリスクが高まるため、主治医との相談やホルモン値のチェックを行ったうえで施術を検討することが大切です。施術時にはクリニックの医師・看護師に甲状腺疾患の状況を正直に伝え、安全に十分配慮してもらいましょう。

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記事執筆

森口翔 M.D. Ph.D
森口翔 M.D. Ph.D
慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師

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