クレストスキンクリニック
ブログ記事
blog

AGA治療中の医療脱毛は可能?各治療薬ごとの影響を解説

2025.03.03

カテゴリ… 脱毛コラム論文情報院内ブログ

はじめに

「AGA治療をしているけど、医療脱毛は受けられるの?」と疑問に思っている方も多くいらっしゃるかと思います。本記事ではAGA治療中に医療レーザー脱毛を併用できるかについて解説します。結論から言えば、AGA治療(薄毛治療)と脱毛の同時進行は医学的に問題ありません​。ヒゲ脱毛だけでなく全身の脱毛についても基本的に併用可能です。ただし、AGA治療薬には「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」など複数あり、それぞれ毛周期への作用が異なるため、脱毛効果に影響を与える可能性があります。この記事では、各治療薬が毛周期に与える影響と医療脱毛との関係を詳しく解説します。AGA治療と脱毛を両立したい方はぜひ参考にしてください。

AGA治療薬と毛周期の関係


図:毛周期(ヘアサイクル)の模式図。 毛髪は「成長期」「退行期」「休止期」を経て生え変わるサイクル(毛周期)を持っています​

AGA(男性型脱毛症)は、この毛周期に乱れを生じさせる疾患です。AGAが進行すると男性ホルモン由来のDHT(ジヒドロテストステロン)の作用で、髪の成長期が極端に短縮され、休止期が延長するという特徴的パターンを示します​。十分に育つ前に退行期に入ってしまうため、髪が細く短いまま抜け落ちて薄毛が進行します(毛包のミニチュア化)。

AGA治療薬はこの乱れた毛周期を正常化することを目指します。具体的には、フィナステリドやデュタステリドなどの薬はDHTを抑制することで「成長期の延長」と「休止期の短縮」を促し、髪が長く太く育つようにします。一方、ミノキシジルは毛細血管拡張によって毛母細胞を刺激し、休止期の毛を成長期へ移行させる効果があります​。いずれの薬も発毛を促進しますが、この作用が医療レーザー脱毛の効果に影響を及ぼす可能性があります。以下で薬剤ごとに詳しく見ていきましょう。

フィナステリドと医療脱毛

フィナステリドは5α還元酵素II型阻害薬で、AGAの原因物質であるDHTの産生を抑制する内服薬です​。日本皮膚科学会のガイドラインでも強く推奨される代表的なAGA治療薬で、「プロペシア」などの商品名で知られています​。フィナステリドによって頭髪の脱毛進行が遅れ、ヘアサイクルの成長期が延長します。その結果、髪が太く長く育ちやすくなり、薄毛改善効果が期待できます。

医療脱毛への影響: フィナステリドは体毛(ムダ毛)への増毛副作用がないとされており、ヒゲや体の医療脱毛と同時併用が可能な薬剤です​。毛周期への作用として成長期を延ばすため、むしろ脱毛の効果が出しやすくなる可能性が指摘されることもあります。また実際には大きな支障はなく、フィナステリド内服中でも問題なくレーザー脱毛を受けられます。フィナステリド服用下で脱毛施術を行った臨床報告でも特別な支障は報告されていません。また、フィナステリドによりヒゲや体毛が急に増えるような作用もないため、安心して併用できるでしょう。

デュタステリドと医療脱毛

デュタステリドはフィナステリドと同じく5α還元酵素阻害薬ですが、I型・II型の両方の5α還元酵素を阻害するため、DHT抑制効果がより強力です​。そのぶんAGAの改善効果も高いとされ、「ザガーロ」などの商品名で処方されています。デュタステリドもヘアサイクルの成長期延長・休止期短縮によって発毛を促進し、髪の本数や太さの増加が報告されています​。フィナステリドで十分な効果が得られない場合に切り替えられることもあります。

医療脱毛への影響: デュタステリドもフィナステリド同様に、医療脱毛と併用可能な治療薬です​。作用が強力な分、理論上は毛の成長期をさらに延長させる可能性があります。そのため脱毛効果の効率を上げる可能性もあります。フィナステリドと同様、体毛が増える副作用は報告されていません​。したがってデュタステリド内服中でも基本的に問題なく脱毛施術を受けられます。ただし効果が高い分だけ副作用リスクも高まる薬剤なので​、持病や体調によっては施術前に医師と相談し、安全に使用することが大切です。

ミノキシジルと医療脱毛

ミノキシジルは血管拡張作用により毛母細胞を活性化させる発毛剤です。本来は高血圧症の治療薬として開発され、現在では外用(塗り薬)と内服(飲み薬)の両方がAGA治療に用いられます​。ミノキシジルは休止期の毛を成長期へ移行させ、髪の成長スピードを高める作用があります。そのため使い始めに一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることもありますが、これは休止期だった毛が一斉に抜け、新しい成長期の毛が生えてくる前兆です。

医療脱毛への影響: ミノキシジルは毛根を刺激して発毛を促進するため、併用することで脱毛効果が上がる可能性がございます。

AGA治療薬と医療脱毛の併用による効果

脱毛回数の減少: フィナステリドやデュタステリドなどAGA治療薬を併用することで、レーザー脱毛の効果が高まり、必要な施術回数が減少する可能性があります。実際、女性の顔面多毛症(女性の髭症状)患者を対象とした二重盲検RCTでは、レーザー脱毛と併せてフィナステリド0.5%外用を使用した群で毛の再生が著しく抑制されました​(Alijanpour 2016)。6か月間(月1回の照射を計6回)での処置後、フィナステリド併用群の毛髪本数は平均3.26本に減少し、プラセボ群の5.23本を大きく下回りました(p<0.001)。1年後の追跡でもフィナステリド群は約3.7本、プラセボ群は7.3本と効果が持続しており​、フィナステリド併用が長期的な毛量減少に寄与したことが示唆されています。このようにレーザー照射とAGA薬の併用は単独のレーザーよりも不要毛の減少効果が高いと報告されています​。

毛周期への影響(施術頻度の低減): AGA治療薬の抗アンドロゲン作用により、体毛の成長サイクルにも変化が生じる場合があります。男性ホルモンの一種であるDHTは本来、軟毛(vellus毛)を終毛(terminal毛)へと転換し、成長期(アナゲン期)を延長して毛を太く長く育てる作用があります(Sachdeva2010)​。フィナステリドやデュタステリドは5α還元酵素を阻害してDHT生成を抑えるため、不要な体毛におけるアナゲン期が短縮されたり、毛の成長が抑制されると考えられます。その結果、レーザー脱毛後の毛の再生スピードが遅くなり、次回の施術までの間隔を長く取れる可能性があります。実際、抗アンドロゲン療法で治療効果が出てくると自己処理(毛抜きやワックス等)と次の処理までの期間が延長することが報告されています。これは毛の伸びるサイクルが遅くなり、頻繁な処理が不要になることを示しています。したがって、AGA治療薬との併用によりレーザー照射の頻度自体を減らせる(長期的には施術総回数を抑えられる)可能性があります。

毛の太さとレーザー効果の向上: レーザー脱毛は毛に含まれるメラニン色素に反応するため、一般に太く濃い毛ほど効果的に反応します。AGA治療薬の中でもミノキシジルは発毛促進剤として作用し、全身の体毛を太く濃くする副作用が知られています。通常、脱毛中にミノキシジルを併用すると不要な毛が逆に増えてしまう恐れがあるため注意が必要ですが​、細すぎてレーザーが反応しづらい産毛を終毛化してから脱毛するというアプローチも考えられます。実際、医療現場の一部では「ミノキシジルで体毛を太く育ててからレーザーで効率よく脱毛する」という方法が理想的なパターンとして紹介されています​。(太い毛はレーザーのエネルギーを吸収しやすく、一度の照射効果が高まるため)。この方法には痛みの増強という課題もありますが​、原理的には毛を太くすることでレーザー脱毛効果を向上させることが可能です。実際の症例報告でも、ミノキシジル外用によって生えてしまった濃い毛(顔の多毛症状)に対し、ヤグレーザー2回の照射で完全除去できたケースが報告されています。ミノキシジルには産毛を終毛化させる作用があるため​、このように太くなった毛はレーザー照射により短期間で処理できることを示唆するものです。

以上のように、AGA治療薬(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル)とレーザー脱毛の併用に関する研究では、施術効果の向上が報告されています。フィナステリドやデュタステリドは不要毛の再生を抑えて脱毛効果を高め、結果的に必要施術回数や頻度を減らす可能性があります。一方、ミノキシジルの毛を太く育てる作用は特殊なケースでレーザー効果を高めるために応用できる可能性があります。併用療法はそれぞれメリット・デメリットがありますが、目的に応じて適切に活用することでより効率的で持続的な脱毛効果が期待できるでしょう。

AGA治療中に医療脱毛を受ける際の注意点

1. 治療薬の副作用に留意: 上記に併用をすることでプラスの作用が出る可能性があることは述べましたが、AGA治療薬を使用中に皮膚の炎症やかゆみ等の副作用が出ている場合は、その部位へのレーザー照射は避けるべきです。たとえばミノキシジル外用薬で頭皮にかぶれがある時に頭皮の脱毛を行うと、炎症が悪化する恐れがあります。施術前のカウンセリングで服用中の薬剤や皮膚症状を必ず伝え、安全に脱毛できるか確認しましょう。

2. レーザー脱毛の「パラドキシカルな多毛現象」に注意: ごく稀に、レーザーや光脱毛の照射によって逆に毛が太く濃くなる「硬毛化・多毛化」と呼ばれる現象が起こることがあります​。脱毛機の出力が不十分だと毛根が刺激されてしまい、休止期の毛が成長期に移行してしまうのが原因と考えられています。特に顔や首周りの脱毛で報告されることがあり、硬毛化が起きると施術前より毛量が増えたように感じるためショックを受けるかもしれません。しかし適切な出力で再照射すれば徐々に毛は減らせますので、もし起きても落ち着いてクリニックに相談してください。なお、ミノキシジル内服中は毛が増えやすい状態のため、この硬毛化リスクが高まる可能性もあります。照射漏れがないよう信頼できるクリニックで施術を受けましょう。

3. 薬剤ごとのベストな併用プランを立てる: 前述の通り、AGA薬は脱毛への悪い影響がほとんど無く安全に併用可能です。AGA治療中に脱毛も進めたい場合は、治療薬の選択や使い方を工夫しましょう。

まとめ

  • フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルはAGA治療中でも問題なく医療脱毛を併用可能です。男性ホルモンを抑える作用により体毛が増える心配もなく​、脱毛効果への影響もごくわずかです。
  • AGA治療中に脱毛を受ける場合は、事前に医師やクリニックとよく相談し、自分の治療薬に合わせた最適なプランを立てましょう。安全に配慮しつつ、薄毛治療と脱毛の両方のメリットを手に入れることが可能です。

医療脱毛を検討している方は、「クレストスキンクリニック」にお任せください。

クレストスキンクリニックは、池袋と船橋にある医療脱毛専門クリニックで、清潔でゆったり落ち着ける完全個室を完備し、分かりやすいメニューと料金設定となっています。

正しい脱毛の知識と熟練された技術をもとに、しっかりとした脱毛効果を医療脱毛のプロが提供します。まずは、お気軽にお問い合わせください。

記事執筆

森口翔 M.D. Ph.D
森口翔 M.D. Ph.D
慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師

月別アーカイブ

archive

アクセス・診療時間

273-0005
千葉県船橋市本町4-41-10
SADOYA Up Court 5F,7F
レディース5F・メンズ7F

船橋駅から信号渡らず徒歩4分

  • 診療時間
    月・水・土・日・祝:
    10:00~19:00
    木・金:
    12:30~21:30
  • 休診日
    火曜日
  • TEL
    0120-805-258
access

未成年者の方へ

クレストスキンクリニックでは、中学校1年生から脱毛の施術を受けていただけます。
未成年(18歳未満)の方、高校生の方は親権者様の同意がご契約の際に必要となります。

to minors