
1. レーザーフェイシャルのメカニズムについて
GentleMax Pro(ジェントルマックスプロ)は米Candela社のレーザー機器で、755 nmのアレキサンドライトレーザーと1064 nmのNd:YAGレーザーという2種類の波長を搭載したデュアルレーザーシステムです。また、最新モデルのGentleMax Pro Plus(プロプラス)も同じ波長構成で、出力やスポット径など性能強化された上位機種となっています。
755 nmの波長はメラニン色素に強く吸収されやすく、毛根やシミ・ソバカスなどの色素性病変を選択的に加熱・破壊する作用があります。また一方、1064 nmの光はメラニンへの吸収が抑えられ皮膚の深部まで到達しやすいため、血液中のヘモグロビンや真皮の組織をターゲットとして赤ら顔の毛細血管や深い血管病変に作用します。
GentleMaxシリーズはパルス幅がミリ秒(ms)オーダーのロングパルスレーザーです。例えばプロは最短のパルス幅で約3 ms、プロプラスでは2 msのパルス照射が可能です
このパルス幅はナノ秒台のQスイッチレーザー(シミ取りに用いられるレーザー)と比べて一発ごとのエネルギーを穏やかに拡散させながら皮膚に加えるのが特徴で、このロングパルス照射により表皮への急激なダメージを避け、安全に熱エネルギーを届けることができます。
そのため、レーザーフェイシャルはQスイッチレーザーのように強力な衝撃で色素を弾く治療と比べて炎症後色素沈着などのリスクが極めて低く、肌に優しい美白治療を可能にしています。
実際にアレキサンドライトレーザーで顔全体を照射すると、シミ部分は一時的に薄いかさぶた状に浮き出て1週間ほどで剥がれ落ちますが、Qスイッチレーザーほど目立たない軽微な反応で自然にシミを除去・減退させることができます。ですので大きな目立つシミに関してはQスイッチレーザーなどに比べて弱くはありますが、あまりシミが目立たないがシミが少ない時点で対策をしたい、予防をしたいという方にはレーザーフェイシャルは向いています。
また、シミ以外にもコラーゲン刺激作用がレーザーフェイシャルでは期待できます。 Nd:YAGレーザー(1064 nm)は皮膚深部まで届く利点を活かし、真皮の線維芽細胞を熱刺激してコラーゲン新生やリモデリングを誘導します。実験的にも、1064 nm長パルスレーザーを顔に月1回・計3回照射した研究で治療側のシワが約45%減少し、皮膚弾力が有意に増加、組織学的にコラーゲン・エラスチン繊維の増生が確認されています(Hong 2015)。このように熱による非侵襲的なタイトニング効果が得られる点もロングパルスレーザーのメカニズム上の特徴です。
また、GentleMaxシリーズにはCandela社独自の「ダイナミッククーリングデバイス(DCD)」が搭載されており、レーザー照射の直前/直後に霧状の冷却ガスを皮膚に瞬時にスプレーして表皮を強力に保護することも特徴です。
まとめると、GentleMax Pro/Pro Plusはメラニンや血管など標的に合わせた波長選択とロングパルス熱照射によって、美肌に必要な作用(色素除去・血管凝固・コラーゲン産生)を肌に優しく効率的に引き起こすよう設計されています。そのうえで強力な冷却による表皮保護と長年の実績に裏付けされた安全性を備えており、このメカニズムがレーザーフェイシャル治療に応用されています。
2. 主な効果
GentleMax Pro/Pro Plusを用いたレーザーフェイシャルでは、肌のトーンアップや質感改善からシミ・赤みの軽減、ハリの向上、ニキビ・肌荒れの改善まで幅広い美肌効果が期待できます。以下に主な効果を挙げます。
- くすみの改善・美白効果: 全顔に照射するとメラニンを含む古い角質が穏やかに除去され、肌全体のトーンが明るく透明感が増す傾向があります。実際、アレキサンドライトレーザーの光がシミ・ソバカスに反応して微細なかさぶたとなり剥がれ落ちる過程で顔全体の色ムラが改善しワントーン明るい肌になることが期待されます。施術を繰り返すことで蓄積したくすみが取れ、肌のくすみ(曇ったような印象)が改善されます。
- シミ・ソバカスの除去: 755 nmレーザーが表在的なシミやソバカスに吸収されると、病変部位は一時的に濃く浮き出てから自然に剥離し、シミが薄くなるか消失します。GentleMaxのロングパルス照射はQスイッチレーザーに比べマイルドですが、適切に反応したシミは1週間程度で薄いかさぶたが取れて改善します。こうした色素沈着の改善効果により、顔全体ではシミ・色ムラの少ない均一で明るい肌へ近づきます。一方で肝斑に関しては悪化のリスクもあるため慎重な判断が重要となってきます。
- 赤ら顔・毛細血管拡張の改善: 1064 nm Nd:YAGレーザーの照射によって、肌表面の毛細血管拡張や紅斑、酒さの赤みが軽減します。レーザーの熱が拡張した血管を選択的に凝縮・閉塞させ、頬や鼻の毛細血管(赤ら顔)、点状の血管腫、赤みを帯びた瘢痕などが目立ちにくくなります。実際GentleMax Proは顔面紅斑や酒さ、毛細血管拡張症の治療にも用いられており、施術後は赤みが引いて肌色が均一になる効果が期待できます。
- 肌質の向上(ハリ・キメ・小ジワ改善): ロングパルスNd:YAGの真皮コラーゲン生成効果により、数回の施術で肌のキメが整い、小ジワが目立ちにくくなることが報告されています。コラーゲン増生に伴い皮膚の弾力が増し、毛穴が引き締まって滑らかな質感に近づきます。実臨床でも、レーザーフェイシャル後に「肌のハリが出た」「化粧ノリが良くなった」といった主観的改善を訴える患者も多く、肌全体が健康的な状態に整う傾向があります。またアレキサンドライトの光は毛穴の黒ずみ(角栓)にも反応するため、鼻の黒ずみ改善や毛穴縮小効果も期待できます。これらの作用により、たるみの予防・軽減や微細なしわの改善といった効果も得られます。
- ニキビ・肌荒れの改善: レーザーフェイシャルはニキビ治療や肌トラブルの鎮静にも有用です。レーザー照射により皮脂腺が縮小し皮脂分泌が抑えられることで、ニキビや吹き出物ができにくくなることが報告されています。実際施術直後に一時的に毛穴の詰まりが改善して白ニキビが増えたように見える場合がありますが、これは肌質が改善しているサインであり、その後ニキビができにくくなると言われています。また赤く炎症を起こしたニキビ跡に対しても赤みを鎮静させる効果があり、繰り返す施術でニキビ跡の色素沈着が薄くなるケースもあります。さらに殺菌的効果や抗炎症作用で肌全体のコンディションが整い、慢性的に繰り返していた湿疹・皮膚炎が起こりにくくなるとの指摘もあります。
- 毛の処理・毛穴ケア: GentleMaxシリーズは本来医療レーザー脱毛用に開発された経緯もあり、フェイシャル治療でも顔の脱毛効果が得られます。顔の産毛が減ることで肌のトーンアップや化粧ノリの改善にもつながるため、一石二鳥のメリットがあります。実際レーザーフェイシャルは「美肌効果と顔脱毛を同時に叶える施術」として人気を集めています。毛に反応した熱は毛穴周囲のコラーゲン収縮ももたらすため、毛穴の開きが引き締まる副次的効果もあります。このように不要な産毛の処理と毛穴ケアを通じて、きめ細かく滑らかな素肌に近づけることができます。
以上のように、GentleMax Pro/Pro Plusによるレーザーフェイシャルは色ムラ・質感・弾力など肌の様々な要素を総合的に改善し得る治療です。その効果範囲はシミ・そばかすの薄化、肌全体の美白、赤ら顔の改善、毛穴縮小、ニキビ抑制、ハリ・小ジワ改善など多岐にわたります。
3. 他の競合機器との比較(フォトフェイシャル・ピコレーザー等)
レーザーフェイシャルに用いられるGentleMax Pro/Pro Plusと、同様の目的で使われる他種の光・レーザー治療との主な違いを解説します。代表的な競合技術としてIPL(フォトフェイシャル)とピコ秒レーザーが挙げられるため、それぞれGentleMaxとの比較を示します(表も参照)。
IPL(光治療器によるフォトフェイシャル)との比較
IPL(Intense Pulsed Light)はレーザーではなく様々な波長を含むパルス光を肌に照射する治療法で、「フォトフェイシャル」はIPLを用いたスキンケアの総称です。ステラM22やルメッカなどが代表的な機器です。IPLは一度の発光で幅広い波長帯の光を放つため、一度に複数のターゲット(メラニン・ヘモグロビンなど)に作用できる反面、レーザー光ほど集中的・効率的ではありません。
以下のような長所・短所があります。
- IPLの長所: 1ショットの照射面積が広く、一度に広範囲を治療できるため、顔全体のシミや赤み治療を短時間で行えます。またエネルギーがレーザーより分散しているため刺激がマイルドで、施術後の反応も穏やかです。ダウンタイムは極めて少なく、メイクもすぐ可能な点はレーザーフェイシャル同様です。さらに一般にIPL治療の方が費用が安価であることが多く、1回あたりのコストを抑えられる傾向があります。
- IPLの短所: 光エネルギー密度がレーザーより低く拡散的なため、効果の出方がマイルドで複数回の施術が必要になるケースが多いです。例えばシミ治療でもIPLはレーザーほど強い反応を起こさないため、レーザーに比べて十分な効果を得るまでに回数を要するとされます。また波長が広い分、肌色の濃い人(色黒肌)には適用しづらいという欠点があります。肌のメラニンが多いとIPLの光を過剰に吸収してしまい火傷や色素沈着リスクが高まるため、一般にIPLは色白〜中間肌向けで、色黒の肌には安全性が劣るとされています。一方GentleMaxの1064 nmは色素沈着の少ない波長で色黒肌にも対応可能なので、この点は明確な差と言えます。
- 効果の比較: フォトフェイシャル(IPL)もシミ・赤ら顔・毛穴などによく用いられ、適応自体はGentleMaxと重なる部分が多いです。しかし上記のように、即効性や治療効果の強さでは高出力レーザーに軍配が上がるとの評価が一般的です。実際、IPLは安価で手軽だが効果が穏やか、一方レーザーは高価だが少ない回数で強い効果が得られると整理されています。例えば濃いシミを一度で確実に取りたい場合はQスイッチレーザーやアレキサンドライトレーザーが選択されますが、IPLでは複数回照射して徐々に薄くするアプローチになります。一方、広範囲の薄いシミ・赤みが散在するケースでは、一度に面で治療できるIPLが効率的なこともあります。
- 安全性と痛み: IPLはエネルギーが分散している分表皮への過度なダメージが出にくく、一般に安全性が高いとされます。ただし前述のように肌タイプの影響が大きく、色素の多い肌では慎重な設定が必要です。GentleMaxはDCD冷却などで安全性を高めていますが、出力自体は高いため不適切な設定ではリスクがあります。痛みに関しては、IPLも輪ゴムではじかれるような刺激と表現され中程度の痛みがあります。GentleMaxでは冷却ガスにより疼痛が大幅に軽減されており、「ほんのり温かい程度」という患者報告もあります。総じて両者とも麻酔不要で施術可能なレベルの痛みですが、GentleMaxの方がパワフルな照射ゆえ部位によっては痛みが強いこともあり、その際はクーリングや麻酔クリームで調整します。
ピコレーザーとの比較
ピコ秒レーザーは、発振時間が1兆分の1秒(ピコ秒)という超短パルスのレーザー技術です。代表機種にCynosure社のPicoSure(755 nm)、Candela社のPicoWay(532 nm/1064 nm ほか)などがあります。ピコレーザーの最大の特徴は光音響効果による色素粒子の破砕であり、熱ではなく衝撃波でメラニンや刺青の色素を微粒子状に粉砕します。そのため周囲組織への熱ダメージが極めて少なく、色素性病変の治療において非常に高い効果を示します。以下、GentleMax(ロングパルスレーザー)と対比したポイントです。
- 色素病変への効果: ピコレーザーは従来のQスイッチレーザー以上に色素を微細化できるため、難治性のシミや真皮のあざ、刺青除去において卓越した効果を示します。例えば従来治療が難しかった太田母斑やADMも、ピコ秒レーザーであればより少ない回数で治療できるとの報告があります。また肝斑に対してもピコトーニングは有望視されておりますが、ピコレーザーでも肝斑悪化のリスクがゼロではなく、慎重な照射が必要な点は同様です。大きいシミなどの色素の破壊効率という点ではピコレーザーが勝ります。
- 適応の幅: ピコレーザーは主に色素性の悩みに特化した治療です。シミ・そばかす・刺青・アートメイク除去が中心で、ニキビ跡の色素沈着にも使われます。一部の機種では特殊レンズを用いたフラクショナル照射でニキビ瘢痕や毛穴縮小効果を狙うことも可能ですが、エネルギーが低いため肌のタイトニング効果はマイルドです。血管病変や赤ら顔の治療には基本的に適しません(ピコ秒領域の波長では血管への効果が乏しい)。一方GentleMaxは先述の通り脱毛・血管・色素・美肌のオールマイティーであり、適応症の幅広さでは優れています。目的が明確に色素治療であればピコレーザー、それ以外も含む総合的な美肌治療ならGentleMaxによるレーザーフェイシャルと住み分けられます。
- 安全性: ピコ秒の超短時間照射では熱がほとんど生じないため、表皮へのダメージや炎症後色素沈着が起こりにくいのが利点です。特に色素性病変治療において、瘢痕のリスクは低いと考えられています。
- コスト・利便性: ピコレーザーの機器本体価格は非常に高額であるため、施術費用も1回あたり高めに設定される傾向があります。一方GentleMaxによる治療は比較的こなれており、1回あたりの料金はピコレーザーより低め(後述の通り日本では1万円台が多い)です。またピコレーザー治療は専門クリニックでしか受けられない場合がありますが、GentleMaxは世界的に普及しており多くの美容皮膚科で導入されています。したがって受けやすさ・経済性ではGentleMaxが優れ、特殊なシミ治療効果ではピコレーザーが優れるという関係にあります。
以下にGentleMax Pro/Pro Plusと代表的なフォトフェイシャル(IPL)、ピコレーザーの特徴を簡潔に比較した表を示します。
特徴 | GentleMax Pro/Plus | IPL | ピコレーザー |
---|---|---|---|
機器の種類 | 単一波長レーザー光(755nm, 1064nm) ※DCDガス冷却併用 | 非コヒーレントな広帯域パルス光(500–1200nmの範囲) | 単一波長レーザー光(例:755nm) ※超短パルス |
作用機序 | メラニン・血管を熱変性 真皮加熱によるコラーゲン再生 | メラニン・ヘモグロビンを熱変性 | 色素顆粒を衝撃波で破砕 (光音響効果) |
主な適応 | 脱毛(全肌質・毛質) シミ・そばかす、黒ずみ 毛細血管拡張、赤ら顔 小じわ・毛穴の開き | シミ・ソバカス、くすみ 赤ら顔、毛細血管拡張 薄い産毛の除去 | シミ・ADM・刺青 肝斑のトーニング (※血管には不可) |
効果実感までの回数 | 比較的少ない回数で効果大 (例:3〜5回で大きな変化) | 穏やかな効果のため複数回必要 (例:5〜10回で徐々に改善) | 色素病変は少回数で効果大 (肝斑は複数回トーニング) |
痛み | 中程度(冷却で軽減) | 中程度(輪ゴムではじく痛み) | 軽度~中等度(設定次第で強い痛みも) |
ダウンタイム | ほぼ無し(数時間の軽い発赤程度) | ほぼ無し(軽い発赤程度) | ほぼ無し(軽い発赤程度) |
肌色適応 | 全ての肌タイプ(I~VI型) ※色黒肌もNd:YAGで可 | 色白~中間肌(III型まで) ※色黒肌には不向き | 全ての肌タイプ(色素治療) |
主な利点 | 幅広い適応(毛・シミ・赤み・シワ) 高出力で効果が大きい 冷却で安全性◎ | 一度に広範囲を治療可能 低コストで導入多い 穏やかで安全性良 | 色素病変治療に特化 難治なシミ・刺青も治療可 熱傷リスク極小 |
主な欠点 | 機器・施術費用が中~高額 照射には技術要 (ハイパワーゆえリスク管理必要) | 色黒肌に照射不可 効果マイルドで回数多 深部への効果限定的 | 機器・施術費用が高額 適応が色素中心 一部痛み |
その他のデバイスとの比較補足
- Qスイッチレーザー: 従来からあるナノ秒パルスのレーザー(QスイッチYAG 532/1064nmやRuby 694nmなど)はスポット的なシミ取りに優れ、GentleMaxより即効性が高い場合があります。しかし照射後にテープ保護が必要な強い反応を起こすことが多く、ダウンタイム(一時的なかさぶた・照射痕の維持)が1-2週間程度発生します。一方GentleMaxのレーザーフェイシャルはテープ保護不要でダウンタイムが極めて少ないため、効果とダウンタイムのバランスで使い分けられます。
- フラクショナルレーザー・RF: より強力な美肌治療としてフラクショナルCO2レーザーやエルビウムヤグレーザー、RFマイクロニードルなどがあります。これらは小じわ・深いシワ、ニキビ瘢痕の改善に効果的ですが、施術後に赤みや瘡蓋が数日~1週間出るダウンタイムがあります。GentleMaxレーザーフェイシャルは非侵襲的でダウンタイムなしに行える反面、上記のアグレッシブな治療ほど劇的な改善は得にくいです。したがって、軽度~中等度の肌悩みにはGentleMax、深刻な老化や瘢痕にはアブレージョン系の治療といった住み分けがされています。患者の許容するダウンタイムや目的に応じて、GentleMaxと他治療を組み合わせるケースも多々あります。
5. 知られている副作用・リスク(赤み・熱傷・色素沈着など)
レーザーフェイシャルは非侵襲的な治療ですが、稀に以下のような副作用やリスクが報告されています。いずれも一時的で軽快するものがほとんどですが、リスクとして事前に知っておくことが望ましいでしょう。
- 発赤・紅斑: 照射部位が一時的に赤くほてった状態(紅斑)になります。ほぼ全員に起こる正常反応で、軽い日焼け後のような赤みが数時間〜1日程度で収まります。
- 浮腫・膨疹: 照射直後から軽度の腫れ(浮腫)が発生することがあります。特に脱毛施術時は毛穴の周囲に小さな膨疹(毛嚢周囲の膨らみ)が生じますが、数時間〜数日で消失します。
- 熱傷(やけど): 稀に表皮の熱傷が起こる可能性があります。出力設定や肌状態によっては火傷となり、水ぶくれ(水疱)を伴うこともあります。適切な設定で行えば熱傷リスクはごく低いですが、万一生じた場合は軟膏処置などで経過を見ます。
- 痂皮形成: 強い反応が起きた部位では表皮が薄く剥けて痂皮(かさぶた)を形成することがあります。痂皮は無理に剥がさず保護することで1〜2週間で綺麗に取れます。
- 炎症後色素沈着(PIH): レーザー後に一時的な茶色いシミ状の色素沈着が出現することがあります。特に肌色の濃い人や日焼け直後の施術ではリスクが高く、軽度の火傷後によく見られます。通常数ヶ月で自然消退しますが、紫外線防御と外用剤(ハイドロキノン等)の併用で早期改善を図ります。GentleMaxの冷却はPIH予防に有効ですが、それでも日焼け肌では照射を避けるのが無難です。
- 色素脱失(白斑): 極めて稀に色素細胞へのダメージが強く、その部分のメラニンが抜けて周囲より白く抜けることがあります。主に高出力を用いた際の副作用で、多くは時間とともに周囲になじみますが、完全に元の色に戻らないケースも報告されています(頻度は極めて低い)。
- 紫斑(内出血): 血管治療時などに皮下出血による紫色のアザができることがあります。特に目周りの皮膚は内出血しやすく、数日〜1週間で消える軽い痣が出る場合があります。圧迫冷却である程度防げますが、抗血栓薬服用中の方などは内出血リスクが高まります。
- 痒み: 照射部位に一時的な痒みを感じることがあります。施術後数時間してから痒みが出るケースもありますが、保湿やステロイド軟膏の塗布で治まります。引っかくと色素沈着の原因になるため注意が必要です。
- 毛嚢炎・ニキビ様発疹: 脱毛施術後に毛穴に細菌が入り毛嚢炎(にきび様の赤いブツブツ)が出現することがあります。顔の場合も稀に起こりえますが、照射部位を清潔に保ち抗生剤の塗布で数日で改善します。
- 硬毛化(増毛化): レーザー照射による刺激で産毛が硬く太く成長してしまうことがあります。主に顔や首の産毛の脱毛を低出力で行った際に報告される副作用で、GentleMaxに限らず蓄熱式脱毛レーザー等でも知られています。
- 瘢痕形成: 極めて稀ですが、深い熱傷となった場合*瘢痕化(ケロイド様の傷跡)を残す可能性もゼロではありません。適切な照射とアフターケアを行えばまず起こらない重篤な副作用ですが、抗ケロイド体質の方は注意が必要です。
- 肝斑の悪化: 肝斑を有する患者に強いレーザーを当てると肝斑が悪化するリスクがあります。明らかな肝斑がある場合、レーザーフェイシャルの照射は避けるかごく低出力に留めるなど慎重な対応が必要です。
以上のような副作用は発生頻度はいずれも低く、多くは一時的です。特に発赤・腫れなどは軽微で短時間で消失するため副作用に含まれないこともあります。重大な合併症(瘢痕など)は極めて稀ですが、リスクをゼロにするため適切な機器設定と術後ケア(保湿・日焼け厳禁等)が重要です。実際の臨床では、患者の肌質や既往に配慮しながら安全マージンを取って照射することで、これら副作用の発生はほとんど見られないか最小限に抑えられています。
以上、GentleMax Pro/Pro Plusを用いたレーザーフェイシャルについて、メカニズムから効果、他機種との比較、安全性、実際の治療情報まで国際的な知見をまとめました。高性能なデュアルレーザーと優れた冷却技術により、シミ・くすみ・赤ら顔・毛穴・小じわなど多岐にわたるお悩みに対応できるのがGentleMaxの大きな魅力です。適切なプランニングの下で施術を重ねれば、ダウンタイムなく着実にお肌の改善が得られるでしょう。各種エビデンスも蓄積されており、美容皮膚科領域で信頼性の高い美肌レーザー治療として今後も広く活用されていくと考えられます。
医療脱毛を検討している方は、「クレストスキンクリニック」にお任せください。
クレストスキンクリニックは、池袋と船橋にある医療脱毛専門クリニックで、清潔でゆったり落ち着ける完全個室を完備し、分かりやすいメニューと料金設定となっています。
正しい脱毛の知識と熟練された技術をもとに、しっかりとした脱毛効果を医療脱毛のプロが提供します。まずは、お気軽にお問い合わせください。
記事執筆

- 森口翔 M.D. Ph.D
- 慶應義塾大学医学部卒業
- 慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
- 医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師