
脱毛方法を選ぶとき、後悔しないためにも事前にいろいろ調べる方は少なくありません。
特に、熱破壊式と蓄熱式というワードをよく目にするのではないでしょうか。
この記事では、熱破壊式と蓄熱式の特徴や得意なこと、違いについてを比較しながら詳しく解説します。
脱毛方法にお悩みの方や、どちらを選ぶか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
熱破壊式の特徴
熱破壊式はショット式とも呼ばれ、高出力のレーザーを1発ずつ照射する方式です。
レーザー照射後に毛が抜けるのが早く、即効性があります。
施術後その場で毛が飛び出してくる『ポップアップ現象』が起きやすいことも特徴の1つです。
毛周期に合わせて施術をすることで、より効果が期待できます。
ただし、高出力レーザーを使用するため、肌が敏感な方には刺激が強く、痛みを感じる可能性もあります。
仕組み
熱破壊式は、発毛組織である毛母細胞や毛乳頭をターゲットにして、レーザーを照射する脱毛方法です。
毛乳頭やバルジ領域など毛を生やしている組織ごと破壊するため、毛が生えてこなくなります。
毛に含まれるメラニンにレーザーが反応して、熱エネルギーが発毛組織まで伝わりダメージを与える仕組みです。
ただし、高出力のレーザーが肌のメラニンに反応することもあり、日焼け肌や色の濃い肌の方はやけどのリスクがあるため、注意が必要です。
得意なこと
熱破壊式のレーザーはメラニン色素に反応するため、どのようなタイプの毛にもオールマイティーに効果が出しやすいことが特徴です。
ワキやVIO、男性の髭など、太くて根が深い毛はもちろんのこと産毛には効果が期待できます。
蓄熱式の特徴
蓄熱式は、ピークパワーが低いものの連続でレーザー照射をして徐々に毛を減らしていく方法で、熱破壊式に比べると即効性は低くなります。
低出力のレーザーを連続で照射して、肌をなぞるように何度も同じ場所に当てていきます。
効果が穏やかに発揮される分、肌への負担は少ないのが特徴です。またピークパワーが低いため火傷のリスクも抑えられます。
仕組み
蓄熱式は毛を作る組織をターゲットに、熱破壊式より低出力のレーザーを繰り返し照射して、少しずつ毛の成長を抑制する効果が期待できる脱毛方法です。
低出力の熱を毛の組織に蓄熱させることによりダメージを与え、同じ場所に何度も繰り返し照射することで、徐々に効果が現れてきます。
また、照射するエネルギーが低いため、比較的痛みが軽い傾向があります。
得意なこと
蓄熱式は低出力で比較的肌へのダメージが少ないため、肌のトーンが暗い方や、日焼けしている方にも対応できる可能性が高い方式です。
熱破壊式と蓄熱式を比較
熱破壊式と蓄熱式は、それぞれ特徴があります。
ここでは2つの脱毛方式の違いについて、さまざまなポイントを比較しています。
熱破壊式と蓄熱式を選ぶ際に気になる疑問の解消に、参考にしてください。
どっちが痛い?
痛みの感じ方には個人差がありますが、ほとんどの場合は熱破壊式の方が痛みを感じやすいです。
熱破壊式はピークパワーが高く、高出力のレーザーを照射してメラニンに反応させ、熱を発生させて脱毛につながる方式ですが、発生した熱によって痛みを感じます。
『輪ゴムでパチンと弾いたような痛み』と表現され、痛みが苦手な方は避けたいと思うかもしれません。
一方蓄熱式の場合は、痛みは弱く、ほんのり温かいと感じる程度となります。
ただ、医療脱毛では麻酔を使用したり、冷却システムが搭載された機器を導入していたりと、痛みの軽減のための工夫を取り入れています。
熱破壊式を希望している方は、痛みの軽減ができるかをクリニックに確認してみましょう。
いつから効果が出る?
脱毛へのアプローチ方法が異なるため、脱毛方式により毛が抜ける時期には差が出てきます。
熱破壊式は即効性が高く、施術後数日〜2週間で毛が抜け始めます。
蓄熱式は施術後3週間~1ヶ月後に毛が抜けてきますが、少しずつ抜けるため効果が実感しづらいかもしれません。また濃い毛も産毛などの細い毛も全般的に蓄熱式のほうが効果は出にくくはなってしまいます。
価格の違いは?
クリニックにより価格の差はありますが、一般的に熱破壊式の方が回数が少なく済み、1ショット1ショット行うため施術の時間も長くなるため、価格設定は高めの傾向があります。
蓄熱式は熱破壊式に比べると回数が多くなる、施術時間が短いなどの理由から、価格が抑えられている場合が多いです。
脱毛部位にもよりますが、少ない回数で脱毛ができる熱破壊式は、コストパフォーマンスが高いです。
ただし、設定されたコースで脱毛が終わらず追加施術が必要になったり、脱毛料金以外(カウンセリングや麻酔)がかかったりすると、総額は変わる可能性はあります。
事前にどれくらいの費用がかかるのか、追加料金がかかる可能性があるのかを、きちんと確認しておきましょう。
照射範囲はどう違う?
1回の照射範囲が広いのは、蓄熱式です。
熱破壊式は高出力のレーザーを1発ずつ、施術場所をずらしながら狭い範囲で照射します。
1ショットずつ照射するため、施術時間は長めになりますが、全体の回数は少ないです。
一方、蓄熱式は低出力のレーザーを連射して、広い範囲で同じ場所に何度も照射します。
照射範囲が広く1回の施術時間は短いですが、出力が低いため回数が多くかかります。
通院の期間や頻度は?
施術部位や毛量、クリニックによって差はありますが、通院期間は熱破壊式の方が短く、どうしても効果が出にくい蓄熱式は通院期間が長くなる傾向があります。
どちらも成長期の毛に効果があるため、毛が生え揃ったらの照射となるため、機械による通院間隔の違いはありません。
日焼けや肌トラブルがあると脱毛できない?
一般的な熱破壊式は、日焼け肌や肌のトーンが暗い方、アトピー性皮膚炎の方などの脱毛に適さないことが多いです。
高出力の熱エネルギーによって、やけどの可能性があるのが理由です。
蓄熱式は低出力のため、肌質に左右されにくく、対応範囲が広くなります。
しかし、熱破壊式でもヤグレーザーなど種類により波長を変えることで、日焼け肌や肌トラブルがある方にも対応可能な場合があります。
熱破壊式を希望する方は、クリニックで相談してみましょう。
施術者の技術により効果が変わる?
蓄熱式の方が、施術者の技術によって効果に影響が出やすい傾向があります。
同じ個所を何度も往復しながら均一に照射をする必要があるため、施術者が変わると効果も変わってしまう可能性があります。
熱破壊式は比較的安定した効果が得られる傾向があり、施術者が変わっても効果の再現度が高いでしょう。
ただし、医療脱毛において技術と経験は必要なものであり、クリニックを選ぶ際には重要な要素です。
熱破壊式か蓄熱式かだけでなく、クリニックの施術実績や研修の有無、万が一の肌トラブルのときの対応などを、きちんと把握したうえで納得して選ぶようにしてください。
リスクの違いは?
高出力の照射をする熱破壊式は、熱エネルギーが大きいため、やけどや炎症が起こるリスクがあります。
しかし、出力の調整やレーザーの選定により回避できることも多く、冷却システムやアフターケアにより発生を予防できる可能性は高まります。
蓄熱式は低出力のため、やけどのリスクは熱破壊式ほどではありません。
長時間のレーザー照射による赤みやかゆみが起こることがあるため、施術後に保湿をしっかりと行う必要があります。
ただし、レーザー照射によって毛が刺激されて硬くなる硬毛化や、毛が増える増毛化のリスクはどちらの方式もあります。
硬毛化や増毛化が起こった場合の対応はクリニックによって違うため、事前に確認しておきましょう。
熱破壊式が向いている方
熱破壊式に向いているのはどんな方なのか、紹介します。
当てはまっているかいないか、脱毛方式を選ぶ際の参考にしてください。
少しの痛みを我慢できる
熱破壊式の施術により感じる痛みは『輪ゴムでぱちんと弾いたような痛み』と表現されます。
1発ずつの照射のたびに、この痛みを感じるということです。
痛みの感じ方には個人差があり、なんとも思わない方もいれば、耐えられないと不安な方もいるでしょう。
医療脱毛を行っている多くのクリニックでは、痛みを軽減するための麻酔や冷却システムなどを導入しています。
痛みの軽減はどのように行われるか、クリニックで確認してみてください。
脱毛効果を早く実感したい
熱破壊式は高出力のレーザー照射で発毛組織を破壊するため、脱毛効果が早く出やすい傾向があります。
施術後に毛がポロポロと抜けていく『ポップアップ現象』は、効果を実感しやすい要素のひとつです。
効果が高い脱毛したい
レーザーの熱エネルギーをメラニンに反応させる熱破壊式は、どのような毛にも高い効果が期待できます。
効果を第一に考えている方には、熱破壊式が向いています。
短期間で脱毛を終わらせたい
熱破壊式は脱毛にかかる期間が短く、少しでも早く脱毛を終わらせたい方におすすめです。
1回の施術で効果が実感しやすく、施術時間は長めですが、期間は蓄熱式と比較すると短い傾向があります。
脱毛を終了するまでにあまり期間をかけたくない方は、熱破壊式を検討してみてください。
蓄熱式が向いている方
蓄熱式のメリットである痛みが少ないこと以外にも、向いている方の傾向を紹介します。
熱破壊式と比較して、合っているかを検討してみてください。
痛みが不安
痛みを我慢できる範囲は個人差があるため、痛みに弱い方や痛みが不安で脱毛に踏み切れないと感じている方は、蓄熱式が向いているでしょう。
蓄熱式は低出力のレーザー照射のため、じんわり暖かいと感じる程度の痛みです。
期間にこだわらない
蓄熱式は熱破壊式に比べると脱毛にかかる回数が多く、期間も長くなる傾向があります。
半年~1年の差が出てくる可能性がありますが、急いでいない、時間がかかっても構わない方は、蓄熱式が向いています。
他の条件も合わせて、期間がかかるのは選ぶ際のポイントになる項目です。
色黒や日焼けなど肌の不安がある
蓄熱式は、肌の質やトラブルに影響されづらいため、日焼け肌や元々色黒で肌のトーンが暗い方に向いています。
また、アトピー性皮膚炎の方の脱毛も可能なケースもあります。
肌の不安がある方は、クリニックで相談してみましょう。
まとめ
熱破壊式と蓄熱式は、レーザーの出力や脱毛効果の出方、痛み、適した毛、期間など、さまざまな違いがあります。
ここで紹介したのは、2つの方式の一般的な傾向です。
使用する機器やレーザーの種類によって、できることも変わってきます。
「熱破壊式がいいが、産毛は脱毛できない」とは限らず、脱毛方式と脱毛機、レーザーの種類の組み合わせで可能な場合もあります。
希望通りの快適な脱毛を諦めずに、信頼できるクリニックを選び、カウンセリングで医師に相談してください。
クレストスキンクリニックでは、熱破壊式のジェントルマックスプロプラスとライトシェアクアトロという2種類の脱毛機に、アレキサンドライトレーザー、YAGレーザー、ダイオードレーザーを使用して、さまざまなご要望にお応えする医療脱毛を行っております。
脱毛のプロである医師が常駐しているため、ご相談やトラブルにもすぐに対応可能です。
医療脱毛に興味がある方、どの方式がいいのか迷っている方は、ぜひクレストスキンクリニックへお気軽にご相談ください。
記事監修

- 森口翔 M.D. Ph.D
- 慶應義塾大学医学部卒業
- 慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
- 医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師