
医療脱毛では、機械の選択によって脱毛の効果や痛みなどが異なり、得意な部位や毛も違います。
しかし、脱毛機械は種類が多く、どれを選んだらいいのかわからなくなってしまう方も少なくありません。
この記事では、よく使用されている熱破壊式脱毛機械の特徴を、わかりやすく紹介します。
医療脱毛を検討している方や、機械選びにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
熱破壊式の仕組み
熱破壊式とは、高出力のレーザーを1発ずつ照射する脱毛方式です。
毛に含まれるメラニンにレーザー光線を反応させて、発毛組織である毛母細胞や毛乳頭に直接ダメージを与えて破壊し、毛の成長を抑制する仕組みです。
熱破壊式は脱毛効果が早く実感できる傾向があり、脱毛期間を短くしたい方におすすめです。
ただし、痛みを感じる場合が多いため、痛みを我慢できる方や、麻酔の使用に抵抗がない方などに向いています。
脱毛機によって痛みの強さは異なるため、痛みが苦手な方は軽減の工夫がされている機械を選びましょう。
出力が高く、肌へのダメージややけどのリスクもあるため、信頼できるクリニックで施術を受け、万一のトラブルの際の対応を確認しておくのが重要です。
医療脱毛レーザーの種類
熱破壊式の医療脱毛機械に使用される脱毛レーザーは、3種類あり、それぞれの波長の差により得意分野が異なります。
脱毛機械には1種類か2種類のレーザーが搭載されていて、必要に応じて使い分けることで、さまざまな毛質や肌質に対応できるのです。
ここでは、3種類のレーザーの特徴を詳しく解説します。
アレキサンドライト
アレキサンドライトレーザーは、日本人の肌や毛質に合っているレーザーとされていて、多くの脱毛機械に搭載されています。
- 波長:755nm
- メラニン色素に反応しやすい
- 黒により強く反応するため効果が出しやすい
- 日焼け肌、肌のトーンが暗い方には難しい場合がある
- 痛みを感じやすい
メラニン色素へ反応しやすいため、黒い毛であればどのような毛にも特に効果が期待できます。
逆に日焼けした肌や色黒な肌の場合は、肌のメラニンに反応してやけどしてしまう可能性があるため、使用できないこともあります。
また、アレキサンドライトレーザーは他のレーザーよりも痛みを感じやすい傾向があるため、痛みが苦手な方は麻酔の使用ができるか、対応策はあるのかなどを、クリニックに確認しましょう。
YAG(ヤグ)
ヤグレーザーは波長が長く、皮膚の深くまでアプローチできるレーザーです。
- 波長:1064nm
- 根が深い毛が得意
- 日焼け肌や色黒な肌にも使用可能
- 痛みは感じやすい
3種類のレーザーの中では波長が長いヤグレーザーは、深部まで照射することができるため、根深い毛の脱毛が得意です。
VIOやワキなどに効果が期待でき、アレキサンドライトレーザーで対応が難しい箇所のフォローとしても使用されます。
メラニン色素の影響を受けづらいため、幅広い肌質や肌色に対応できます。
痛みは比較的感じやすいため、痛み軽減の対応策を確認しておくのがおすすめです。
ダイオード
ダイオードレーザーはバランスが良く、幅広い肌質や毛質へバランス良く対応ができるのが特徴です。
- 波長:約805nm・1060nm(使用機種により異なる)
- メラニン色素への反応がアレキサンドライトより弱い
- 幅広い肌質に対応できる
- 痛みの質が鈍い
ダイオードレーザーは蓄熱式脱毛機械にも搭載されますが、熱破壊式機械の場合は、805nmと1060nmの2種類の波長で照射が可能な機種があり、幅広く対応できます。
アレキサンドライトレーザーよりメラニン色素への反応が弱いため、ヤグレーザーほどではないものの日焼け肌や色黒な肌にも照射できることが多いです。
また、敏感肌やアトピー性皮膚炎の方への施術も可能な場合もあるため、クリニックへ相談してみましょう。
ただし、ライトシェアシリーズのように吸引により痛みを抑える方式の機種では、熱破壊式の中では施術時間がかかることもあります。
熱破壊式の医療脱毛レーザー機械の種類
熱破壊式の医療脱毛レーザー機械には、さまざまな種類があります。
搭載レーザーの種類や機種により、特徴や効果も異なります。
ここでは、熱破壊式の機器について、わかりやすく解説します。
ジェントルマックスプロプラス
ジェントルマックスプロプラスは、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの2種類を搭載していて、2つのレーザーを使い分けることにより幅広い毛質や肌質に対応できます。
それぞれの苦手を補い合えるため、産毛から剛毛まで、色黒の肌も脱毛が可能です。
前機種のジェントルマックスプロと比較すると、照射範囲や出力、照射スピードなどの性能がアップして、より脱毛効果が期待できる機種になっています。
全身の脱毛に適していて、スピード重視の方には特におすすめの機種です。
照射口は皮膚と離したままなため、衛生的でジェルも不要です。
-26までといった圧倒的な冷却可能なDCDガスという冷却ガスを利用した、痛み軽減の機能も備わっています。
ジェントルマックスプロとの違いはパルス幅が2ms(ミリ秒)まで短くでき(ジェントルマックスプロは3msまで)、ピークパワーが上げられることとゲージが大きく一度の照射範囲が広くなったことなどがあります。
ジェントルマックスプロプラスは導入しているクリニックがまだ少ないため、通いたいクリニックに設置されているか事前に確認しましょう。
ジェントルレーズプロ
ジェントルレーズプロは、アレキサンドライトレーザーを搭載した1波長の脱毛機です。
普通~剛毛の脱毛には向いていますが、産毛には効果が低い傾向があります。
2秒に3ショット照射することができて、施術スピードが早い機種です。
前機種のジェントルレーズは日本で最初に薬事承認を受けた医療脱毛機器で信頼と実績があり、日本人の毛質や肌質に合っているため、採用しているクリニックが多いです。
ジェントルヤグプロ
ジェントルヤグプロは、ヤグレーザーを搭載した脱毛機器です。
ヤグレーザーは波長が長く肌の深部へ到達できて、太い毛や長い毛に効果が期待できます。
日焼けした肌や色黒の肌に使用できますが、痛みを感じる場合があります。
ただし、他のジェントルシリーズに比べて照射範囲が狭いため、ジェントルヤグプロだけで全身脱毛をすると時間がかかってしまうかもしれません。
ライトシェアクワトロ
ライトシェアクワトロは、ダイオードレーザーを搭載した脱毛機械で、ライトシェアデュエットなどの他のライトシェアシリーズとの違いは805nmと1060nmの2つの波長が使えるという点です。
波長を切り替えることにより、幅広い毛質にバランス良く脱毛が可能となり、日焼け肌や色黒肌にも対応できます。
ライトシェアクワトロには、皮膚を吸引しながら照射を行うハンドピースを使用して脱毛を行う方式が採用されています。
HPハンドピースは吸引アシストで痛みの軽減、大口径の照射で施術時間の短縮が可能です。
ETハンドピースは冷却システム搭載で痛みを抑え、吸引が難しい細かい部分の脱毛に適しています。
また、アレキサンドライトレーザーやヤグレーザーのようなフラッシュランプでのレーザーではなく、半導体によるレーザーであるため痛みは鈍い感じがあります。
スプレンダーX
スプレンダーXは、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーを同時に照射できるのが特徴です。
切り替え式ではなく同時に照射するのが脱毛にどの程度効果があるのかは、現時点では明らかになっていません。
2種類のレーザーの利点を活かせるため、幅広い毛質や肌質に対応可能です。
また、照射口が四角で打ち漏れを少なくする工夫がされています。
サンダーMT
サンダーMTは、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの2種が同時に照射できる脱毛機です。
照射口が55×55mmと大きく、広範囲の照射が可能となり、スピーディな脱毛ができます。
エアークーリングという冷却システムを搭載していて、痛みの軽減に役立ちます。
エリートiQ
エリートiQは、アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの2種類のレーザーを切り替えて使用する熱破壊式の脱毛機械です。エリートシリーズのものです。
クリニックによりオプションを選択していて24mmの口径を使用している場合は、痛みの軽減や照射スピードアップにつながります。
こちらも空冷による痛みの軽減になります。
また、肌の色を測定する「スキンテル」という機械が付属していて、出力やパルス幅などに反映することができて、リスクを減らすことにつながります。
熱破壊式の医療脱毛機器の選び方
熱破壊式の機種はさまざまな種類があり、どう選んだらいいのかわからなくなってしまう方も少なくありません。
特徴がわかっても、自分に合っているのか、どこを見て選べばいいのか、迷ってしまうかもしれません。
ここでは、選び方の参考になる項目別に、熱破壊式の医療脱毛機械を選ぶポイントを、詳しく解説します。
実績・認可
医療脱毛機械を選ぶ際には、機械の実績と、厚生労働省の承認の認可の有無を確認しましょう。
作っている会社の信頼性が高いか、事故やトラブルがないかも含めて調べておけば、脱毛への不安を少なくすることにもつながります。
シリーズ化されている脱毛機械は実績があり、前機種を進化させているため効果が期待できます。
厚生労働省の承認を受けている医療用脱毛機械は、一定の基準をクリアしていると認められているため、選ぶ基準のひとつとして覚えておいてください。
また、クリニック選びも同様に、脱毛の実績と経験、施術者の技術などをきちんと確認して、信頼できる医療脱毛が受けられるクリニックを選びましょう。
最新機器
機械の性能は日々進化していて、単純に相関するものではないのですが、最新の脱毛機械になればなるほど、効果が期待できます。
前機種よりも痛みへの対策や照射方法が強化されて、脱毛の効果も実感しやすくなっています。
その反面、新しい方式の場合は効果がまだ明らかになっていないこともあるため、気になることはカウンセリングでしっかり確認し、納得して施術を受けるようにしてください。
機能の違い
脱毛機械はそれぞれ特徴があり、機械によって機能が異なるため、目的に合った機能から選ぶのもひとつの方法です。
早く脱毛を終わらせたいならば、照射面積が広い方が施術時間は短い傾向があり、根深い毛が生えている部位を脱毛したいならば、波長が長いレーザーが搭載されている脱毛機械が必要です。
希望をすべて叶えられるかはわかりませんが、カウンセリングで目的を伝え、医師に相談してみましょう。
優先度を決めておくと、肌質や毛質に合わせて機械を選びやすくなります。
痛みへの対策
熱破壊式は脱毛効果が実感しやすく、施術期間が比較的短いというメリットはありますが、痛みを感じるのが不安だという方も少なくないため、痛みへの対策方法から脱毛機械を選ぶのもよいでしょう。
脱毛機械によっては、冷却システムや吸引で痛みを軽減する機能がついているものもあります。
また、麻酔を併用して痛みを感じづらいように施術を受けられるクリニックも多く、痛みに弱い方は利用してもいいでしょう。
ただし、麻酔がオプションで別料金がかかるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
得意な部位・肌・毛質
どこを脱毛したいのか、先に決めておくと、機械を選ぶのに役立ちます。
脱毛機により、また搭載しているレーザーの種類により、得意な部位や肌、毛質が異なります。
例えば、ワキと腕を脱毛する場合、それぞれ肌質や毛質が違うため、対応できる脱毛機械が導入されているかを確認しなければなりません。
評判が良い機械でも、希望する脱毛部位に対応していなければ利用できない可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
医療脱毛に使用される脱毛機械は、種類も多く迷いがちですが、選び方のポイントを知っていれば、目的に合った機械を選ぶことができます。
脱毛機械だけではなく、搭載しているレーザーの種類によっても、得意な脱毛が異なります。
医療脱毛を検討するときは、脱毛したい部位やかける期間の目安など、希望する項目の優先順位を決めておきましょう。
それと同時に、きちんと話し合い疑問を解消してくれるクリニックを選ぶのも重要です。
医療脱毛に疑問があったり、不安を抱えたまま脱毛を始めるのではなく、カウンセリングできちんと医師に相談して、納得したうえで快適な脱毛をスタートしましょう。
クレストスキンクリニックでは、幅広い肌質や毛質の方にも対応し、希望にお応えできるように、ジェントルマックスプロプラスとライトシェアクアトロを導入しております。
脱毛の専門知識を持った医師が常駐していて、施術中のトラブルや相談にも、すぐに対応できます。
医療脱毛機械に迷っている方、脱毛に不安を感じている方は、ぜひお気軽にクレストスキンクリニックへご相談ください。
記事監修

- 森口翔 M.D. Ph.D
- 慶應義塾大学医学部卒業
- 慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
- 医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師