脱毛を受けたあとの肌はデリケートになりやすく、適切なケアをしないと肌トラブルにつながる恐れがあります。
肌トラブルのリスクを抑えるためにも、正しい方法でケアをしましょう。
この記事では、脱毛後のアフターケアが重要な理由や正しいケア方法、避けるべきことを詳しく紹介します。
脱毛後のアフターケアが重要な理由
ここでは、脱毛後のアフターケアが重要な理由を解説します。
脱毛後は肌が乾燥しやすい
脱毛後は、肌が乾燥しやすくデリケートな状態になります。
なぜなら、脱毛に使用するレーザーはメラニン色素に反応して熱を発する仕組みであるため、その熱によって肌の皮脂や水分が奪われるためです。
肌が乾燥するとかゆみや肌荒れ、赤みや敏感肌、皮膚のひび割れや剥離などさまざまな肌トラブルが生じることにもつながるため、脱毛後は保湿する必要があります。
肌トラブルが起こる可能性がある
脱毛後は、色素沈着や赤みなどの肌トラブルが起こる可能性があります。
このようなトラブルが起こるのは、肌の乾燥によってバリア機能が低下し、刺激に敏感になるためです。
脱毛後のアフターケアを怠ると、肌トラブルのリスクが高まります。
脱毛効果に影響が出る可能性がある
脱毛後にアフターケアを怠ると、脱毛効果に影響が出る可能性があります。
その理由は、アフターケアをしないと肌のコンディションが悪化し、高い出力でのレーザー脱毛ができなくなるためです。
レーザー脱毛の出力を下げてしまうと、それだけ効果が小さくなるため、期間が延びてしまいます。
脱毛後に起こり得る肌トラブル
脱毛後は、さまざまな肌トラブルに注意しましょう。ここでは、脱毛後に起こり得る肌トラブルを紹介します。
赤み
脱毛後に肌が赤くなる主な原因は、レーザーの熱による影響です。
レーザーで発生した熱が肌にまで広がることによって赤みが生じ、ヒリヒリとした痛みを伴います。特に敏感肌の方は、脱毛前の自己処理を怠ると赤みのトラブルが起こりやすいです。
火傷
脱毛に使用するレーザーによって肌に火傷が生じるケースがあります。
レーザーはメラニン色素に反応するように調整されているため、日焼けした肌やバリア機能が弱まっている乾燥肌だと火傷が起こりやすいです。
程度が小さければ人の自然治癒力で時間とともに良くなりますが、程度が大きいとクリニックで火傷の治療が必要になります。
色素沈着
脱毛後に黒ずみなどの色素沈着がみられる場合があります。
脱毛によって炎症が起き、その後に発生する色素沈着のことを『炎症後色素沈着』といい、これは肌の炎症によって生じるトラブルです。
脱毛によって生じた色素沈着は自然に治る場合がほとんどですが、範囲が広く色が濃いと、治るまで時間がかかったり、その間施術が受けられなかったりする場合もあります。
毛嚢炎
毛嚢炎は毛穴を中心に小さく赤い吹き出物のようなものがぷつぷつできるトラブルで、白い吹き出物が生じることもあります。
毛穴にできた小さな傷から皮膚に常在している菌が入り込んで炎症を起こし、かゆみが起こるケースも多いです。
通常であれば1週間から2週間ほどで治りますが、症状が進行するとかゆみや痛みが出たり治るまで時間がかかったりすることもあります。
硬毛化
硬毛化とは、脱毛後に毛穴から今までになかったような硬くて太い毛が生えてくることです。
硬毛化が起こる原因は現時点でははっきりとはわかっておりませんが、発毛組織を破壊できなかったことにより、発毛組織が活性化されて毛が太くなることが理由として考えられます。
硬毛化の対応としては自然に治癒する場合も多いため、半年から1年ほど経過をみることが第一に考えられます。また、硬毛化部位をより強い出力や波長を変えて照射することで対応することもございます。それでも改善しない場合は最終的にはニードル(針)脱毛で対応する場合もあります。
脱毛後に行うべき3つのケア
脱毛による肌トラブルを防ぐためにはアフターケアが欠かせません。ここでは、脱毛後に行うべき3つのケアを紹介します。
保湿
脱毛後は肌が炎症を引き起こしやすくなっているため、脱毛した部分の保湿を行って乾燥を防ぐことが大切です。
化粧水や乳液、保湿クリームなどを使ってしっかり保湿をしましょう。脱毛中だけでなく、日常から保湿することで肌のコンディションも整ってきます。
ただし、肌質によっては市販のスキンケア商品が合わないこともあるため、不安に感じる場合は脱毛を受けるクリニックに相談することをおすすめします。
また、脱毛の前に保湿をすると毛穴に保湿剤が入り込むことでレーザーの効果を下げる可能性があるため、必ず施術が終わったあとにケアをしましょう。
日焼け対策
脱毛後は、肌トラブルを防ぐために日焼け対策をしっかり行いましょう。
脱毛後の肌はレーザーによって水分が奪われてデリケートな状態になっているため、シミや色素沈着などのトラブルを引き起こす場合があります。
脱毛後は、少なくとも2週間は日焼けをしないように肌を休めることが大切で、外出するときはアームカバーや日傘を使って対策をしましょう。
日焼けをすると次回の脱毛が受けられなくなる可能性もあるため、注意が必要です。
脱毛のレーザーで最も好ましい状態は肌が白く、毛が黒いというコントラストがはっきりしている状態です。コントラストがはっきりしていればいるほど効果的です。そのため、脱毛の施術期間中は日焼けに気をつけましょう。
赤みや炎症のケア
脱毛後に赤みや炎症が生じている場合は、適切にケアを行って症状の悪化を防ぐ必要があります。
いずれもレーザーによる熱が原因で炎症を起こしているため、施術後に帰宅してもひりひり感が続く場合はタオルで巻いた保冷剤等を肌に当てて患部を冷やすことが大切です。
一方で、長時間保冷をしすぎると肌に負担がかかったり、血行不良や低温やけどになったりするリスクもあります。赤みや炎症が改善しない場合は、クリニックに相談して早めに治療を受けましょう。
【部位別】正しいアフターケア方法
脱毛の部位によってアフターケアの方法は異なります。ここでは、顔・ボディ・VIOごとのアフターケアの方法を紹介します。
顔
顔は体の中でも皮膚が薄い部分になるため、脱毛によって赤ら顔になったり、クマが生じやすい状態になっていたりします。
できるだけ刺激を与えないように洗顔時は顔をこすらず、ローションや美容液をたっぷり使って保湿をしましょう。
顔をこすると肝斑の悪化にもつながります。
保湿剤が少ないと肌に摩擦が起こって刺激となり、トラブルを引き起こす可能性があります。
化粧水のほかに適度な油分がある乳液やクリームも使用し、水分を肌に閉じ込めるようなケアを行いましょう。
ボディ
ボディは体の中でも皮膚が厚い部分が多いですが、衣服とこすれることや、紫外線や外気の影響によってダメージを受けやすい部位です。
脱毛直後は肌がデリケートな状態となっているため、肌への刺激を減らすためにも入浴はせず、ぬるま湯のシャワーのみで体を洗いましょう。
また、ボディタオルは使わず、ボディソープの泡を手のひらに乗せて優しく体を洗うと肌への刺激を抑えられます。
ヒリヒリする場合は保湿を行ったうえで、タオルで巻いた保冷剤や濡れたタオルを使って患部を冷やすと痛みを軽減できます。
VIO
VIOは痛みを感じやすい部位であり、さらに下着の締め付けやこすれが刺激になったり、汗をかいて不衛生になったりしやすいため、適切なケアが必要です。
シャワー後は優しく水分をふき取って、敏感肌用のローションややわらかいクリームなどを使いながらしっかりと保湿を行います。
また、粘膜に近いIラインは保湿剤がしみる可能性があるため、アルコールフリータイプのように肌にやさしい保湿剤を選びましょう。
脱毛後に避けるべきこと
保湿以外にも脱毛後に注意すべきことはあります。ここでは、脱毛後に避けるべきことを紹介します。
日焼け
脱毛後は肌が敏感な状態になっているため、強い紫外線が肌にあたると炎症を引き起こすリスクがあります。
日焼け止めクリームも刺激になる場合があるため、アームカバーや日傘などを使った対策がおすすめです。
また、全身脱毛のように広い範囲の脱毛をしている場合は、UVカットの効果がある長袖を着用して、日差しを避けて行動するなどの対策も心がけるようにしましょう。
飲酒
脱毛後に飲酒すると血行が良くなることで体温が上昇し、肌に赤みやかゆみ、刺激によって湿疹が生じることがあります。
また、お酒の利尿作用によって体内の水分が奪われ、肌が乾燥しやすくなる点にも注意が必要です。
多くのクリニックで脱毛当日の飲酒は控えるように説明がありますが、お酒を飲めるようになるまでの時間は異なる場合があります。
お酒が好きな方や飲み会に誘われる機会が多い方は、脱毛のカウンセリング時に飲酒のルールを確認しておきましょう。
入浴や激しい運動
入浴や激しい運動は血行が良くなって、体温が上昇しやすいため、赤みやかゆみなどの肌トラブルが起こる原因になります。
脱毛直後は皮膚に熱がこもっていて軽いやけどを負っている状態であるため、体温を上昇させるような行為は症状の悪化につながります。
肌トラブルを避けるためにも、脱毛直後はクリニックの指示に従って運動や入浴は控えましょう。
温泉やプール
脱毛後の温泉やプールは、1週間ほど控えることをおすすめします。
なぜなら、温泉やプールは多数の人が入るため、水の中には多くの雑菌が存在しており、毛穴に入り込むことで毛嚢炎を引き起こすリスクがあるためです。
また、プールについては水に含まれる殺菌成分の塩素が肌を刺激して、炎症を引き起こす可能性もあります。
予防接種
脱毛クリニックの多くは、脱毛後の予防接種について一定期間は受けないように注意を促しています。
クリニックによって異なりますが、脱毛後1週間~10日間は期間を空けて予防接種を行うように設定しています。
予防接種自体が問題になることはほとんどございませんが、多くのクリニックでNGの理由は、脱毛をしたあとの肌は敏感な状態になっており、注射の痛みが強く出て、赤みや発疹などの症状が出やすい可能性があるためです。
予防接種の予定がある場合は、脱毛直後にならないように早めに調整しておきましょう。
エステやマッサージ
脱毛クリニックの多くは、肌トラブルのリスクを理由に脱毛直後のエステやマッサージを禁止しています。
脱毛をした直後は肌の奥に熱が蓄積している状態となっており、エステやマッサージは肌への摩擦や刺激につながるため注意が必要です。
また、オイルを使用する施術だと、オイルが毛穴を詰まらせることで脱毛効果が減ってしまい、肌に合わないことで赤みやかゆみが強く出ることもあります。
さらに、脱毛直後だと肌トラブルの原因が脱毛によるものなのか、エステやマッサージによるものなのか原因が特定できません。
脱毛直後はクリニックの指示に従い、エステやマッサージは期間を空けて受けましょう。
毛抜きやワックスによる自己処理
脱毛後に毛抜きやワックスによる自己処理を行うことは、脱毛の効果に影響が生じ、肌トラブルのリスクが高まるためNGです。
毛抜きやワックスで無理に毛を抜いてしまうと、毛穴の中で毛が埋もれてしまう埋没毛になって毛穴が黒ずみ、炎症が起こってしまう可能性があります。
また、毛抜きやワックスで無理に毛を抜いてしまうと毛周期が乱れて脱毛にも影響するおそれがあります。
なぜなら、脱毛は毛周期における成長期に合わせて施術を行うのが基本であり、無理に抜いてしまうと再び成長期に入るまでに時間がかかるためです。
さらに、脱毛は毛の黒い部分にあたるメラニン色素に反応する仕組みであるため、毛がなくなってしまうと脱毛効果自体も得られなくなります。
まとめ
この記事では、脱毛後のアフターケアの重要性や正しいケア方法と避けるべきことを紹介しました。
脱毛後は肌が敏感な状態になっているため、保湿や日焼け対策を行い、赤みや炎症が起こっている場合は患部を冷やす必要があります。
また、脱毛後の肌トラブルや血行が良くなって体温が上昇すると起こりやすいため、激しい運動や入浴、飲酒なども控えましょう。
肌トラブルが起こった際には、脱毛を受けているクリニックで診てもらって早めに治療を行うことが大切です。そのためにも、脱毛は信頼できるクリニック選びも重要となります。
クレストスキンクリニックでは、正しい脱毛の知識と根拠のある脱毛効果を医療脱毛のプロがご提供します。
脱毛のリスクや正しいアフターケアなど気になることもしっかりと説明を行ったうえで、患者様に納得していただいたうえで施術を行います。
無料カウンセリングも行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
記事監修
- 森口翔 M.D. Ph.D
- 慶應義塾大学医学部卒業
- 慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
- 医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師