ワキガはアポクリン腺と常在菌が主な原因となって引き起こされる症状です。
ワキガの症状改善方法は様々ありますが、その一つに脱毛をすることが挙げられます。
脱毛を行うことで細菌の繁殖が抑えられ、ワキガの予防・改善に効果が期待できるのです。
この記事では、ワキガと脱毛の関係や脱毛でワキガの症状が軽減する理由などについて解説します。
ワキガの臭い対策もまとめているので、ワキガに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
そもそもワキガの原因って?
そもそも、ワキガの症状はなぜ起こるのでしょうか?ここからは、その原因について解説します。
「アポクリン腺」と「常在菌」が主な原因
ワキガの主な原因であるアポクリン腺からの汗は、アンモニアやタンパク質を含んでおり、これが皮膚に常駐する細菌と混ざり合うことで、ワキガ特有の強烈な臭いを生み出します。
アポクリン腺は主に脇や陰部など限られた部位に存在し、全身にめぐるエクリン腺とは異なり、その汗は主に粘り気のある質感を持っています。
エクリン腺からの汗が主に体温調節を目的とするのに対し、アポクリン腺からの汗はもともとフェロモンを分泌する役割をしていたと考えられています。
常在菌という細菌は皮膚のあらゆる部位に存在し、通常は体に害を及ぼさないものの、アポクリン腺の汗と混ざり合うことで臭いを発生させます。
遺伝的な体質や生活習慣が影響することも
ワキガが発生するかどうかには、遺伝的な体質が関係することもあります。
特にアポクリン腺の数が多かったり汗の分泌が活発であることは遺伝する傾向があり、家族にワキガの人がいる場合、自身もワキガになる可能性が高まります。
また遺伝だけでなく、生活習慣もワキガの発症に影響します。
例えば肉や揚げ物、乳製品といった高脂肪の食事を好むと、その脂質がアポクリン腺の汗として排出されやすくなり、結果としてワキガの臭いを強くすることがあるのです。
さらに身体的なストレスやホルモンの変動もアポクリン腺の活動を促し、ワキガの症状を悪化させることがあるため、日々の生活の中でこれらの要因に注意することが重要になります。
ワキガと脱毛の関係│脱毛で治る?悪化する?
脱毛とワキガの関係については多くの誤解があります。ここからは、脱毛とワキガの関係について詳しく見ていきましょう。
脱毛でワキガになることはない
一部で「脱毛するとワキガが悪化する」という声が見られることがありますが、現代の医療レーザーや光脱毛は毛根を対象にしています。
汗腺の機能にダイレクトに影響を与えることはなく、脱毛がワキガを引き起こしたり、悪化させたりする医学的根拠は見つかっていません。
ワキガの根本的な改善には治療が必要
ワキガの根本的な改善には、脱毛ではなくワキガ専用の治療が必要です。
脱毛は毛を減らすことで臭いの原因となる汗や菌の溜まりやすい環境を改善できますが、アポクリン汗腺自体の機能を止めるわけではないため、ワキガを根本から治すことはできません。
重度のワキガを改善したいと考えている場合は、専門のクリニックで適切な治療を受ける必要があるでしょう。
治療には、アポクリン汗腺を取り除く手術や、汗の分泌を抑える治療などがあり、これにより臭いの発生を根本から防ぐことができます。
脱毛ではワキガの症状軽減・予防効果が期待できる
脱毛による直接的なワキガ治療効果は期待できませんが、脱毛がワキガの症状を軽減したり、ある程度予防する効果が一部期待できる場合もございます。
脱毛により毛が少なくなることで、汗や菌の溜まり場が減るため、臭いが軽減されやすくなるのです。
特に、軽度のワキガであれば脱毛による効果を実感したという方も一部いらっしゃいます。
脱毛がワキガの症状改善・予防に効果的な理由
ここからは、脱毛がワキガの症状改善や予防に効果的な理由について解説します。
毛が少なくなることで常在菌が繁殖しにくくなる
脇毛が多い状態だと、肌の蒸れとともに細菌が繁殖しやすい環境になります。
細菌は汗と反応してワキガの臭いを発生させるため、この環境を改善することが重要です。
脱毛によって毛の量を減らすことで、細菌が繁殖しにくい状態を保つことができます。
さらに毛が少ないことで洗いやすくなったり拭きやすくなったりするため、清潔を保ちやすくなるため、間接的にワキガの予防につながります。
自己処理による肌への刺激を減らせる
自己処理、特にカミソリを用いた方法は、肌への刺激やダメージを引き起こしやすいです。
肌への負担が増えることでアポクリン腺が刺激され、汗の分泌量が増加することも。
脱毛施術を受けると毛が生えにくくなり、自己処理の頻度が減ることで肌へのダメージが減り、ワキガのリスクを抑えることができます。
アポクリン腺の働きが弱まる可能性がある
医療レーザー脱毛などの脱毛施術は、熱を利用して毛根に作用します。
この熱によってアポクリン腺の機能が弱まり、汗の分泌量が減少する効果が期待できる場合も一部あります。
汗の量が減ることで、ワキガの臭いの原因となる汗と常在菌との反応が抑えられるため、ワキガの症状の軽減に寄与する可能性があるでしょう。
なぜ?脱毛で「ワキガが悪化した」と感じる理由
脱毛で「ワキガが悪化した」と感じる理由は、大きく3つ挙げられます。
- 脱毛したことで脇の汗が衣服に染み付きやすくなり雑菌の繁殖につながった
- 毛穴に溜まった老廃物(皮脂や角質など)の酸化
- 多汗症の症状が出ている
脇の脱毛をすることで毛がなくなると、それまで毛に溜まっていた汗が直接肌に触れ、衣服に染み付きやすくなります。
これが雑菌の繁殖を促し、臭いにつながった可能性があります。
また、脱毛によって脇の毛穴が開き、そこに溜まった皮脂や角質が酸化して臭いが生じている可能性もあります。
通常、医療脱毛を行うと毛がなくなることで毛穴が引き締まる傾向にありますが、なんらかの理由で毛穴が開いた状態になってしまうことも。
こまめにケアして脇を清潔な状態に保つことで改善が期待できますが、気になる場合はクリニックに相談してみましょう。
汗を気にし過ぎるあまり、多汗症の症状が出ている可能性も考えられます。
脱毛で汗腺が刺激されることで脱毛後多汗症が起こることもありますが、多くは一時的なものです。ほとんどの方の場合、一定期間で自然に治っていきます。
脱毛でワキガの症状が軽減しやすい人
脱毛はワキガの症状を軽減させる可能性がありますが、特に効果を感じやすいのは症状が軽度で、脇毛の量が少ない人です。
その理由について詳しく解説します。
ワキガの症状が軽度の人
ワキガの症状が軽度の人は、脱毛によって症状が改善される効果が期待できます。
もともとワキガの症状がそこまで強くないため、脱毛によって脇を清潔な状態に維持しやすくすることで臭いが軽減され、日頃のお手入れもしやすくなるでしょう。
食生活や生活習慣の改善も合わせて行うのがおすすめです。
脇毛の生えている量が少ない人
脇毛の量が少ない人も、脱毛でワキガの症状が改善されやすい可能性があります。これは、毛穴の数が少ないほどアポクリン腺の数が少ない傾向にあるためです。
ワキガの症状も軽いことが多いため、脱毛による改善効果が期待できるでしょう。
ワキガで脱毛を受けるのが恥ずかしい場合の対策は?
ワキガで悩んでいる人が脱毛を受けたいと思った時、クリニックやエステでの施術に躊躇ってしまうこともあるものです。
ここではワキガで脱毛を受けるのが恥ずかしい場合の対策を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
スタッフは慣れている・気にしていない!
脱毛サロンやクリニックのスタッフは、日頃から多種多様なお客様に対応しています。その中にはワキガで悩んでいる人も少なくありません。
そのため、スタッフはワキガの臭いに慣れていたり、気にしていなかったりすることがほとんどです。
ワキガは体質的なものであり、日本人ではおよそ10人に1人に起こるといわれています。過度に気にせず気楽に施術を受けましょう。
気になる場合は事前処理で臭いを軽減
ワキガの臭いが気になる場合、脱毛前に事前処理をしていくことで臭いを抑えられます。
施術前日に刺激の少ない電気シェーバーで脇の毛の自己処理をし、汗をこまめに拭き取るようにしましょう。
施術日は化繊ではなく吸水性や吸湿性が優れた綿100%の服を選ぶことで、臭いの原因となる汗や湿気を吸収し、臭いを抑えられます。
ワキガの臭い対策5つ!
適切な対策を行うことで、ワキガの悩みを解消することが可能です。ここでは、ワキガ対策として有効な5つの方法を紹介します。
これらの方法を日常に取り入れることで、ワキガの臭いを抑え、快適な生活を送ることができるでしょう。
1:こまめに汗を拭き取る
汗を放置すると、汗と皮脂が混じり合って悪臭の原因となります。
特に夏場や運動後などは汗をかきやすいので、定期的に清潔なタオルやウェットティッシュで拭き取ることが重要です。
汗拭きシートを使用する際は、肌に優しい無香料のものを選び、脇の下を優しく拭き取りましょう。
これによって脇の下を常に清潔に保つことができ、ワキガの臭いを抑える効果が期待できます。
2:正しい方法で丁寧に脇を洗う
脇を洗う際は、石鹸を使用して丁寧に洗うことがポイントです。
肌を傷つけないように優しく洗い、皮脂や汗、汚れをしっかりと落とします。
特に殺菌効果のある石鹸を使用することで、ワキガの原因となる細菌の増殖を抑制できます。
湿った状態で放置すると細菌が繁殖しやすくなるため、洗い終わったら脇をしっかりと乾燥させましょう。
3:制汗剤や汗取りパットを使う
制汗剤や汗取りパットは、汗を抑えることでワキガの臭いを予防する効果があります。
制汗剤には様々な種類がありますので、肌に合うものを選びましょう。
ただしワキ脱毛施術の当日は、制汗剤の使用はNGです。
脱毛効果が弱まったり肌トラブルが起きやすくなったりするリスクがあるため、習慣的に制汗剤を使用している人は特に注意しましょう。
もし脱毛当日に制汗剤を使用してしまったら、石鹸とシャワーで綺麗に洗い流してください。
4:生活習慣・食生活を整える
ワキガの臭いは、生活習慣や食事内容の影響を受けます。
特に刺激の強い食品や、にんにく、カレーなどの香辛料が多い食べ物はワキガの臭いを強くする可能性があるため注意が必要です。
バランスの良い食生活を心がけるとともに十分に水分を摂取することで、体内の代謝を良くし、臭いの原因になる物質の排出を促進できます。
また適度に運動することで、血行を促進し、汗の分泌を正常化する効果が期待できます。
5:脇の毛を処理して蒸れにくい状態を保つ
脇の毛が長いと汗や汚れが溜まりやすく、それが蒸れや臭いの原因になります。
脇の毛を適度に処理することで、脇の下を清潔に保ちやすくなり、ワキガの臭いを抑える効果が期待できます。
ただし、毛を抜く方法は皮膚への負担が大きく、埋没毛の原因にもなりうるため注意が必要です。
電動シェーバーのような肌に優しい処理方法を選ぶのがおすすめです。
まとめ
脱毛によってワキガが直接的に治るわけではありませんが、症状の軽減や予防に役立つ場合がございます。
脱毛が原因でワキガが悪化するという医学的根拠はなく、むしろ正しいケアをすることで症状の改善が期待できるでしょう。
ワキガで悩んでいる方は、症状を軽減させる手段の一つとして、脱毛を検討してみるのがおすすめです。
もちろん脱毛自体はワキガの治療を目的とした施術ではないため、過度な期待はできません。
クレストスキンクリニックでは、毛質や肌質に合わせて「ジェントルマックスプロプラス」と「ライトシェアクアトロ」の2種類の脱毛機を使い分けて脱毛を行っています。
カウンセリング料や初診・再診料、テスト照射料は無料となっておりますので、ワキガの臭い改善のために脱毛を検討している方は、ぜひ気軽にご相談ください。
記事監修
- 森口翔 M.D. Ph.D
- 慶應義塾大学医学部卒業
- 慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
- 医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師