エフロルニチン塩酸塩クリームの脱毛効果とは?
エフロルニチン塩酸塩クリーム(エリンクリーム)は、医療脱毛レーザーと一緒に使うことができる特別なクリームです。通常の除毛クリームは毛を溶かすことで減らしますが、このクリームは毛の成長を遅くする効果があります。約8週間で効果が現れ、アメリカでは多毛症の治療に使われています。
脱毛レーザーは黒い毛に反応して脱毛効果を得ます。ですが、通常の除毛クリームを使うと黒い毛がなくなり、レーザーの効果が無くなってしまいます。エフロルニチン塩酸塩クリームは毛を溶かさないので、脱毛レーザーと併用できます。
では、このクリームとレーザー脱毛を組み合わせた方がいいのでしょうか?
いくつかの研究が、エフロルニチン塩酸塩クリームとレーザー脱毛の併用効果を調べているため、紹介します
エフロルニチン塩酸塩クリームとレーザーの併用についての報告
まず一つ目はブリティッシュコロンビア大学のHamzaviらが報告したものです。
この報告では31名の多毛の女性(平均年齢40.5歳)に対して4週間間隔で5-6回のレーザーを口の両側に受けます(ロングパルスアレキサンドライトレーザー:17~40J/cm2のフルエンスで、7mmまたは10mmのスポットサイズ、10~40msのパルス幅)。また、クリームに関しては毎日2回左右どちらかをわからないようにランダムに振り分けて片方はエフロルニチン塩酸塩クリーム、もう片方にプラセボクリームを塗りどちらの方が効果が優れているのかを見たものです。二重盲検ですのでレーザーとクリームを受けた被験者も評価者もどちらにエフロルニチン塩酸塩クリームを塗られているかは知らされません。最終の評価は最後のレーザー治療の2週間後に行われています。
その結果、被験者自身の評価では31人中13人(41.9%)がエフロルニチン塩酸塩クリームの方が脱毛の程度が優れていると考え、プラセボが優れていると考えた患者はいなかったという結果になりました。また直接測定した毛の残っている本数ではエフロルニチン塩酸塩クリームによる毛の数はプラセボより7.9%少なかったとあります(P < .01, paired t test, 95% CI, 2.4%-13.3%)図1。その中の一例を図2に示します、これを見るとプラセボの方は明らかに毛が残っています。ただこの研究では、最終評価が最後にレーザーを受けた2週間後なのでエフロルニチン塩酸塩クリームのポジティブな効果が5~6ヶ月以降も維持されるかどうかについては何とも言えない状況です。ちなみにエフロルニチン塩酸塩クリームの方が副作用が多かったという報告はなかったのでそれはとりあえず試すという点ではいいところかもしれません。(Hamzavi, 2007)
また、他にもパキスタンから同様の研究報告があります。こちらは162人を対象にしたエフロルニチン塩酸塩クリームとNd-YAGレーザーの併用群(81名)、Nd-YAGレーザー治療単独群(81名)を比較して治療終了後3ヶ月に評価を行ったものです。Nd-YAGレーザー単独の群 64例(79.01%)、Nd-YAGレーザーにエフロルニチンを併用した群78例(96.30%)に脱毛効果が認められ有意な差が出ていました(p=0.001)。こちらは被験者数が162名と多いこと、また評価が最終のレーザーから3ヶ月後であるのでより長期間にわたって脱毛効果の高さが保たれたという点は興味深いところです。 (Khan, 2021)
他にもカリフォルニア大学サンディエゴ校のsmithらが報告した研究も同様に54名の女性を対象にレーザー2回+エフロルニチン塩酸塩クリーム併用群とレーザー+プラセボ群で比較したもので、併用群の方が効果が高かったというものもあります。 (Smith, 2006)
これらの研究からわかるように、エフロルニチン塩酸塩クリームと脱毛レーザーの併用は、脱毛効果が高まることが示されています。特に、レーザーだけでは効果が出にくい産毛などに対しても、併用することで効果が期待できるとされています。ただし、半年や1年以上の効果についてはまだわからない部分があり、今後の研究が待たれます。
まとめると、エフロルニチン塩酸塩クリームと脱毛レーザーの併用は、脱毛効果が高まることが研究で示されています。医療脱毛に興味がある方は、この組み合わせを検討してみる価値があるかもしれません。ただし、長期的な効果については、まだ不明な点があるため、今後の研究結果にも注目してみてください。
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記事執筆
- 森口翔 M.D. Ph.D
- 慶應義塾大学医学部卒業
- 慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
- 医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師