産毛の脱毛は、カミソリや電気シェーバーを使う方も多いでしょう。
背中やお尻などは、自分では処理がしにくく放置しがちですが、汗や汚れがたまるとニキビや吹き出物の原因となります。
本記事では医療脱毛で産毛は脱毛できないのか、どのような方法なら効果を得られるようになるか、回数やメリットについて解説していきます。
医療脱毛で産毛は脱毛できないと言われている理由
結論から言えば、医療脱毛での脱毛効果は期待できます。
医療脱毛で使用されるレーザーは、黒い色(主にメラニン色素)に吸収された熱が毛根にダメージを与えることで、細胞を破壊し生えてこなくなるという仕組みです。
ただし、細くやわらかい産毛は色素が薄く、黒いメラニン色素に反応する仕組みの医療脱毛では蓄熱式ではもちろんのこと、産毛に効果のある熱破壊式であったとしても産毛を完全に無くすことは難しいといわれています。
産毛を完全に取り除くためには自己処理しかない
前項のとおり、たとえ医療脱毛であっても完全に産毛を無くすことは難しい場合が少なくなりありません。
産毛を完全に取り除くためにはレーザーでは困難な場合が少なくないため、ニードル脱毛でなくすか、一時的にはなりますが自己処理を行うという方法が現実的です。
自己処理の方法として、カミソリや電気シェーバーを使う方が多いのではないでしょうか。
お腹や背中など広範囲な場所にある産毛は、除毛クリームを使うという方もいらっしゃいます。
カミソリや除毛クリームなどで自己処理を行うときの注意点として、処理後の肌は乾燥や炎症を起こしやすく、カミソリ負けや肌へのダメージが懸念されます。
自己処理を行う場合は、処理後の冷却や保湿を忘れないようにしましょう。
産毛脱毛に要する時間と回数
産毛脱毛に必要な時間と回数の目安を表で示しました。
部位 | 時間 | 回数 |
---|---|---|
顔(口ひげ・口周り・鼻) | 約1年半〜2年 | 10回〜12回 |
背中・襟足 | 約1年〜1年半 | 8回〜12回 |
通常の脱毛と比較しても回数が多く、期間も1年から2年近くかかるなど終了するまでに時間がかかります。また、期間がかかったとしても完全な脱毛は困難な場合も多いです。
ここからは、部位別の産毛脱毛について解説していきます。
顔(口ひげ・口周り・鼻)の産毛脱毛
医療脱毛であっても、10回以上の脱毛が必要です。
顔は皮膚が薄く刺激を受けると赤くなりやすいだけでなく、毛穴が密集しているために、熱が伝わりやすくなります。
火傷リスクがあるため、特に男性のヒゲでは毛が濃い場合は熱が伝わりやすいため、最初のほうはレーザーの出力を上げられません。
細くやわらかい産毛が多い女性の場合、熱が伝わりにくいために回数も必要です。
背中と襟足の産毛脱毛
医療脱毛では最低8回、1年半ほどは通わなくてはいけません。
脱毛サロンの場合では永久脱毛はできないため無期限で通い続けなければならず、医療脱毛の方が早くきれいになるのは間違いないでしょう。
体毛が濃い場合、うなじや背中の産毛も濃くなる傾向があるため効果が出しにくく、施術回数が増える可能性があります。
頭のつむじと同じように渦を巻いている場合には、さらに時間がかかるケースもあるようです。
産毛脱毛で人気の部位はどこ?
産毛は全身に生えていますが、目立つ部位や自分では処理ができない・やりにくい場所はプロに脱毛してもらうといいでしょう。
ここからは、産毛脱毛で人気の部位3つについて解説します。
顔:1番よく見える部分
顔は自己処理を失敗すると傷も目立ちやすいため、医療脱毛で産毛まで処理する人が多いです。
顔を脱毛すると、くすみが消え肌の透明感がアップします。
産毛が残っていると、肌に凹凸ができてしまい、スキンケア用品が十分に浸透しません。
脱毛すれば化粧品の浸透はもちろんですが、ファンデーションのノリや持ちにも変化があらわれます。
背中:自己処理が難しい部分
就寝中に寝具と衣類に挟まれている背中からは、多くの皮脂が分泌されています。
そのため、毛穴に汚れや皮脂がつまりやすく、ニキビができやすい場所です。
脱毛すれば皮脂つまりが起こりにくくなるため、肌トラブルも減少します。
無理な自己処理をする必要もなくなり、毛穴レスな背中になれば、大胆なドレスや水着姿にも自信が持てるようになるでしょう。
脇:薄着で目立ちやすい部分
脇の毛があると目立ってしまうのはもちろんですが、自己処理後の黒いブツブツも気になるものです。
カミソリや毛抜きを使った自己処理を繰り返していると、肌を刺激してしまい黒ずみの原因になります。
ムダ毛がなくなっても、肌が黒ずんでしまうと薄着のおしゃれを楽しめません。
産毛が残ったままでいると、汗や皮脂がからみつきやすくなり体臭の原因にもなります。
脇を脱毛してしまえば、見た目だけでなく臭いトラブルもなくなり、快適な毎日を過ごせるはずです。
産毛脱毛のメリット
産毛脱毛のメリットとして以下のようなことが挙げられます。
- 肌のトーンが明るくなる
- 肌荒れが少なくなる
- メイクがしやすくなる
- 自己処理トラブルが減る
これらについて、詳しく解説します。
肌のトーンが明るくなる
産毛は体毛の中では色素は薄いものの、密集すると肌全体が黒ずんで見えます。
メイクしても顔がぱっとしない、元気がないように見えるのは産毛が原因です。
顔の産毛を脱毛すると驚くほどに印象が違ってきます。
肌のトーンアップのためにも、脱毛をおすすめします。
肌荒れが少なくなる
皮脂やホコリなどが毛穴に詰まってしまうと、黒くブツブツ見え、肌がくすんで不健康です。
毛穴の汚れを餌にして雑菌が増えると、吹き出物ができやすくなり炎症を起こすなどトラブルにつながります。
産毛脱毛すれば、皮脂や汚れが落ちやすくなり肌荒れしにくい健康な肌に近づくでしょう。
メイクがしやすくなる
顔の産毛があると、皮脂や汚れが絡んでしまうため洗顔しても十分に落としきれません。
皮脂や汚れが産毛に残ったまま、メイクしてしまうとノリが悪いだけでなく、汗で落ちやすくなります。
脱毛してしまえば、皮脂や汚れが落ちやすくなり下地やファンデーションが肌に密着しやすくなります。
メイクむらや崩れを気にすることなく過せるのは、大きなメリットに違いありません。
自己処理によるトラブルが減る
細くこまかい産毛は、剃ってしまえば目立たなくなりますが、時間が経てば目につくようになるため自己処理が必要です。
産毛処理を繰り返すと、角質層も一緒に削られてしまうため、肌のバリア機能が次第に低下します。
バリア機能が低下すると、乾燥が進み皮脂分泌が活発になるため、吹き出物ができやすいなど肌トラブルにつながります。
産毛脱毛は皮膚を美しくするためだけでなく、肌の健康のためにも有効な手段であるといえるでしょう。
産毛脱毛のデメリット
産毛脱毛には、以下のデメリットがあります。
- クリニックに通う回数が多くなる
- 硬毛化する可能性がある
- 痛みを感じやすい
- 毛嚢炎を発症するリスクを伴う
ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。
クリニックに通う回数が多くなる
脱毛に使用されるレーザーは、メラニン色素に反応するのが特徴です。
産毛にもメラニンは含まれていますが、他の体毛と比較すると色素が薄く十分な量ではありません。
そのため、産毛脱毛に効果を出すためには、よりピークパワーが高くパワフルなレーザーを使う必要があり熱破壊式が産毛の脱毛に向いていると考えられる所以です。
このように産毛の脱毛には時間がかかり、通う回数も増えてしまいます。
硬毛化する可能性がある
脱毛は、半永久的な減毛効果を狙って行うものですが、メラニンが少なく薄い毛では十分な細胞の破壊ができずに残ってしまう場合があります。
さらに残っているだけではなく、逆に抜け落ちて生えなくなるはずの体毛が、濃く太い毛となって生えてくる「硬毛化」と呼ばれる現象が起こる場合があります(なぜ起こるかのメカニズムは十分に分かっていません)。
また、皮毛角が深い(毛が深いところにある)毛もレーザーが十分に届かずに細胞をしっかりと破壊しきれずに硬毛化となってしまう率が高いと言われています。
そのため、特に毛が深く、産毛が比較的多い背中や首、女性のフェイスライン、腕などは硬毛化好発部位と考えられています。
脱毛前のカウンセリングでは、硬毛化についても話があるため、メリット・デメリットを聞いたうえで判断してください。
痛みを感じやすい
産毛が多い部位は皮膚が薄いため、脱毛の刺激を感じやすく痛みに弱いです。
背中など広範囲な部位は、脱毛時間が長くなると刺激を痛みとして認識するようになっていきます。
顔やうなじ、肩甲骨周辺など、骨が近いと照射の刺激を痛みに感じてしまうでしょう。
クリニックでは、麻酔クリームや笑気麻酔などを用意しているため、痛みに弱い方は利用を検討してください。
毛嚢炎を発症するリスクを伴う
毛嚢炎は、傷口から雑菌が入り込むことで発症する皮膚トラブルです。
体の抵抗力が落ちていると、小さな刺激で毛嚢炎になってしまうため注意してください。
毛嚢炎になったら、脱毛したクリニックに連絡し診察してもらいましょう。
アフターフォローの充実しているクリニックであれば、状態の確認後、薬が処方されるため安心です。
美容脱毛よりも医療脱毛がおすすめな理由
医療脱毛をおすすめする理由は、以下の3つのメリットがあるからです。
- 永久脱毛が期待できる
- 少ない時間と回数で脱毛効果を実感できる
- 医療サポートがついてくる
それぞれの理由について解説します。
永久脱毛が期待できる
永久脱毛はどこまでか永久かとの証明は困難であるため、FDA(アメリカの厚労省のような政府機関)は、「永久減毛(permanent hair reduction)」という言葉を使い、「施術後に生えてくる毛の数が長期的に(毛周期を超えて)減ること」と定義しています。
美容脱毛は出力制限があり細胞まで破壊できませんが、医療レーザーによる脱毛は、毛乳頭までを破壊するため永久的な効果を期待できます。
そのために「永久減毛」と考えるべきで、それができるのは医療行為によるレーザー脱毛だけです。
少ない時間と回数で脱毛効果を実感できる
多くのクリニックでは複数の脱毛機を使い分けているため、どのクリニックでも少ない時間と回数で脱毛できるようになりました。
照射出力の強さを調整するため、多少は効果に違いが出る場合もありますが、パワーの低い美容脱毛よりも確実に効果を実感できます。
しかし、医療脱毛のレーザーにも多くの種類があり、しっかりと効果が出るレーザーを選んでいくことも大切です。
夜遅くまでや、週末や休日も開院している専門クリニックもあるため、忙しくしている方でも安心です。
医療サポートがついてくる
医療脱毛を行えるのは、医療従事者が在籍するクリニックのみです。
万が一トラブルがあった時にはすぐにサポートが受けられ、必要に応じて処方箋も出してもらえるなど安全性も高く安心できます。
体調が悪かったり肌トラブルを起こしてしまったりした場合にも、診察を受けてから脱毛できるか判断されます。
脱毛後のお手入れ方法や、赤みやかゆみが出てしまった時の対処法など、医師目線でアドバイスがもらえるでしょう。
産毛に使用される医療脱毛レーザーの特徴と種類
脱毛に使用される医療脱毛レーザーは、種類によってそれぞれ特徴があり、産毛への効果も異なります。
照射方式
照射方式 | 産毛への効果 | 特徴 |
---|---|---|
熱破壊式 | 〇 | ・高出力 ・毛乳頭と毛母細胞、バルジ領域を破壊できる ・少ない回数で効果 |
蓄熱式 | △ | ・低いエネルギーを重ねることで細胞を破壊 ・回数が必要になる ・痛みが少ない |
体毛は部位によって生え方や毛質が異なるため、レーザー脱毛機も複数のパワーが出せるものを使い分けています。
熱破壊式脱毛機は、高出力のレーザーが毛乳頭や毛母細胞、バルジ領域など毛を生産する組織を破壊します。
メラニン色素を含む組織が破壊されれば、毛そのものが生えなくなるため産毛も生えにくくなるわけです。
蓄熱式は出力のパワーは弱いですが、痛みを抑えて脱毛できます。
同じ箇所に繰り返しエネルギーをあてなければ効果が得られないため、脱毛に時間がかかります。
レーザーの種類
レーザーの種類 | 産毛への効果 | 特徴 |
---|---|---|
ダイオードレーザー | △ | ・痛みが少なく、施術時間が短い ・メラニン選択性は中程度であり、どのような部位にも使いやすい |
アレキサンドライトレーザー | 〇 | ・メラニン選択性があり効果が高い ・単発発射で毛根を破壊できる ・メラニン選択性が高く産毛に効果がある |
YAGレーザー | 〇 | ・深い位置にある毛に効果を出せる ・メラニン選択性が低いため色の濃い部位にも照射可能 |
代表的なレーザーを3つ紹介しました。
どのレーザーも肌への刺激が少なく、確実に産毛を脱毛できます。
効率的に早く安全に産毛を脱毛するには、複数のレーザーを搭載した脱毛機を使っているクリニックを選ぶことも良いかと思います。
産毛脱毛は「ジェントルマックスプロプラス」がおすすめ
ジェントルマックスプロプラスは、熱破壊式脱毛機として厚生労働省承認を受けています。
アレキサンドライトレーザー755nm、YAGレーザー1,064nmが使われており、ジェルや冷却を必要とせずに脱毛可能です。
また、その他の熱破壊式脱毛機と比較し、冷却方法が特殊でより低温まで冷やすことの可能なDCDガスを使用しており、圧倒的なピークパワーを出すことが可能となっています。
産毛はもちろんですが、硬毛化した毛にも対応できます。
単発エネルギーが高く、照射スピードが早いため施術時間も期間も短くなるのが特徴です。
産毛を完全になくしたいのであればニードル脱毛がおすすめ
ニードル脱毛で施術した毛根からは、毛は二度と生えてくることはありません。
メラニンと親和性のない産毛や白髪にも対応可能であり、特殊な電気針を毛穴からさし込み、毛根を確実に破壊します。
この方法が、もっとも永久性の高い脱毛であることは間違いないでしょう。
毛穴1つひとつに針をさしていく地道な作業であるため、施術時間が長く費用が高くなります。
それだけでなく、針から電気が流れるため医療脱毛以上に強い痛みを感じる方法です。
硬毛化した一部のムダ毛に使われることは多いようですが、全身の産毛の脱毛には現実的には難しいといえるでしょう。
まとめ
産毛の脱毛方法としては、医療脱毛かニードル脱毛がもっとも効果的な方法です。
特徴や効果だけでなく、メリット・デメリットや施術時の痛みなどを考え、慎重に脱毛方法を選びましょう。
クレストスキンクリニックでは、主にジェントルマックスプロプラス(その他にも女性専用院では痛みがややマイルドなライトシェアクアトロ)と2種類の脱毛機を採用しています。
患者の悩みや肌質に合わせて脱毛機を提案するだけでなく、指定も可能です。
産毛脱毛で後悔しないためにも、まずは無料カウンセリングで自分の肌と向き合ってみてはいかがでしょうか。
記事監修
- 森口翔 M.D. Ph.D
- 慶應義塾大学医学部卒業
- 慶應義塾大学医学部大学院博士課程修了
- 医療脱毛専門クレストスキンクリニック医師